「カスタマーサクセスと営業の違いって？」
「カスタマーサクセスはどのくらいの年収を稼げる仕事なの？」
「カスタマーサクセスになるにはどんな知識やスキルが必要？」
このようにカスタマーサクセスという仕事や年収について、知りたいという人もいるのではないでしょうか。

本記事では、カスタマーサクセスという仕事の概要やカスタマーサクセスに必要な知識やスキルについて解説しています。本記事を読むことで、カスタマーサクセスについて理解を深めることができるでしょう。

また、未経験でカスタマーサクセスに転職するポイントについても解説するため、カスタマーサクセスに転職を検討している人も参考にできます。

カスタマーサクセスについて知りたい人は、ぜひ参考にしてみてください。

「カスタマーサクセス」とは

カスタマーサクセスとは、顧客が望んでいる最終的な目的へと導くための活動を指す言葉です。具体的には、顧客満足度を向上させることによって商品やサービスの利用率を保つことを目的としています。

現在は多くのモノが溢れる時代になったことから、単純にモノを購入するのではなく「モノをシェアする」「体験を得る」という価値観になってきています。

このような現代において、顧客に自社を選び続けてもらうためには、顧客の満足度をいかに向上させていくかが重要です。そのため、カスタマーサクセスという「売らない営業」が登場しました。

営業との違い

カスタマーサクセスは顧客の満足度を向上し、契約を継続してもらうことが目的です。また、自社の利益よりも顧客の利益を優先する傾向があります。

一方営業は、どのようにして多くの新規顧客を契約までつなげるかがもっとも重要な役割となっているため、顧客との契約を結んでいない状態から活動を行います。そのため、それぞれ活動目的に違いがあると言えるでしょう。

カスタマーサクセスは、すでに契約を結んでいる状態の顧客の契約維持率を保つこと、営業はできるだけ多くの新規契約数を取ることが目的となっています。

カスタマーサポートとの違い

カスタマーサポートとは、顧客からの問い合わせに対して対応する仕事です。自社のIT商品やサービスを購入した顧客からの使用方法などの問い合わせに対応し、解決する仕事であるため、受動的な仕事だと言えるでしょう。

その一方で、カスタマーサクセスは顧客が希望するゴールを目指し、能動的に提案を行ったりリードをしたりするという違いがあります。いずれも顧客満足度を向上させるための活動ではありますが、サービスの提供や目的には違いがあることがわかるでしょう。

カスタマーサクセスが生まれた背景

カスタマーサクセスとは、近年生まれた新しい概念だと言えます。現在のビジネスではモノを売るだけではなく、自社の商品やサービスに顧客を定着させるための活動が重要視されています。

では、どのような背景でカスタマーサクセスが生まれたのかについて見ていきましょう。

サービスの重要性が高まった

以前のように大量生産大量販売の時代とは違い、現在では市場にさまざまな製品が溢れていることからモノが売れない時代になりました。多種多様な製品が溢れる現代では、機能や技術による優位性だけでは他の製品との差別化が難しくなっています。

そのため、付加価値を生み出すサービスの重要性が高まっていることから、カスタマーサクセスという概念が登場することになったと言えるでしょう。

サブスクリプション型のサービスが増加した

近年、市場にさまざまな商品やサービスが溢れるようになったことで、単純にモノを購入するのではなく「借りる・シェアする」という考え方が登場しました。

実際に、市場に多くのサブスクリプション型のサービスが登場したことにより、ユーザーは気軽に他社の商品やサービスを試せるようになっています。

このような状況で、自社の商品やサービスを使い続けてもらうためには「顧客満足度をいかにして向上させるか」という、カスタマーサクセスの考え方が重要になったと言えるでしょう。

カスタマーサクセスの基本的な仕事内容

カスタマーサクセスとはどのようなものなのかを理解していても、具体的にどのような業務を行っているのかイメージしにくいという人もいるでしょう。

カスタマーサクセスの仕事内容としては、自社のサービスの販売や促進、サービスを継続利用するための環境作りのサポートなどが挙げられます。

ここでは、カスタマーサクセスの基本的な仕事内容について解説していきます。

サービスの導入促進

カスタマーサクセスの基本的な仕事内容としては、サービスの導入促進が挙げられます。サービスを販売したり、導入の促進活動を行ったりします。

顧客に対して商品やサービスの営業を行うだけでなく、事前説明会や勉強会といったイベントを実施して顧客の獲得を目指すことも、カスタマーサクセスの仕事です。

サービスを継続利用してもらうためのサポート

カスタマーサクセスの仕事には、サービスを継続使用してもらうためのサポート業務もあります。サービスを利用している顧客に対して定期的なヒアリングを実施したり、能動的に要望などを聞き出したりすることで、要望や改善点などを実際のサービスに反映させます。

このように顧客のニーズを叶えることによって、サービスを継続的に利用してもらえるようにすることはカスタマーサクセスの仕事です。また、サービスを改善するだけでなく、顧客のニーズを実現するために新しいサービスとして売り出すケースもあります。

アップセルやクロスセル

アップセルは基本的なサービスや商品に加えて、「オプションを追加する」、「よりラインの高いサービスや商品を購入してもらう」ということを意味します。

クロスセルは、現在利用しているサービスや商品と組み合わせることで、より効果的に利用できるものを合せて購入してもらうことを意味します。

このようなアップセルやクロスセルのためのアプローチを行うこともカスタマーサクセスの仕事です。

カスタマーサクセスの気になる年収目安

カスタマーサクセスの平均年収は400万円〜900万円ほどとなっています。カスタマーサクセスの年収は経験年数によっても変わるため、中には年収1,000万円以上を稼いでいる人もいます。

日本においてカスタマーサクセスはまだメジャーな職種ではないため、カスタマーサクセスとして経験を積んだ人やコンサルティングの経験がある人は、高年収の求人で転職することもできるでしょう。

カスタマーサクセスに必要な知識やスキル

カスタマーサクセスに興味を持っている人の中には、どのような知識やスキルが必要とされるのか知りたいという人も多いでしょう。

ここからは、カスタマーサクセスに必要な知識やスキルについて紹介していきます。

自社の業界や顧客企業に関する知識

カスタマーサクセスは、業界によっても仕事内容や求められる知識が異なります。たとえばソフトウェアを販売する企業のカスタマーサクセスには、ソフトウェアの開発経験が求められるケースもあります。

そのように、カスタマーサクセスには、業界や企業に関する知識が求められるでしょう。

コンサルティングスキル

カスタマーサクセスは、顧客の課題解決のためのサポートを行う役割を持つため、コンサルティングに近い仕事と言えます。そのため、カスタマーサクセスにはコンサルティングスキルが必要です。

調整力やコミュニケーション力

カスタマーサクセスは顧客満足度を向上させるために、顧客のニーズや解決したい課題の聞き取りを行います。また、ヒアリングしたニーズを自社で共有し、製品やサービスに取り入れて、顧客の成功体験へとつなげることが重要になります。

製品化にどのくらいの期間がかかるか、実際に対応可能なのかなど、社内の関係者を巻き込みながら調整することもカスタマーサクセスの仕事です。そのためカスタマーサクセスには、コミュニケーション力や調整力も必要になります。

カスタマーサクセスとして活躍できる業界

カスタマーサクセスは比較的新しい職業であるため、どのような業界で働く職種なのかわからないという人も多いでしょう。カスタマーサクセスは主に、Web業界やIT業界などで活躍できる職種です。

ここではカスタマーサクセスとして活躍できる業界について、それぞれ解説していきます。

さまざまな人が利用しやすいサービスにする必要がある「Web業界」

カスタマーサクセスはWeb業界で活躍できる仕事です。Web業界のサービスはさまざまなユーザーが利用するため、あらゆる人にとって使いやすいサービスにする必要があります。

しかし、利用されるサービスによってユーザー層は異なります。ユーザーにマッチするようなサービスにするためには、カスタマーサクセスがユーザー層に合った機能を追加することが重要になるでしょう。

随時アップデートが必要となる「IT業界」

IT業界でもカスタマーサクセスは活躍しています。IT業界では、年々パッケージとして販売されるソフトウェアは減少しており、顧客のニーズに合わせて機能をアップデートできるソフトウェアが求められるようになっています。

このように、顧客のニーズを満たすサービスを提供するために、カスタマーサクセスの力が必要とされていると言えるでしょう。

また、カスタマーサクセスはIT企業の中でも特に、SaaS企業での活躍が期待されています。SaaSの例としてはMicrosoft Office 365やGmailなどです。

このようなSaaSは、主にビジネスで用いられるサービスが多いため、使いにくい場合は継続利用に繋がらない可能性があります。このような事情から、SaaS企業でのカスタマーサクセスの需要は高いと言えるでしょう。

未経験からカスタマーサクセスに転職するポイント

カスタマーサクセスはまだ経験者が少ない状況にあるため、未経験からでもカスタマーサクセスに転職することは可能です。しかし未経験から転職に成功するには、事前に必要とされる知識を身につけておく必要があるでしょう。

ここでは、未経験でカスタマーサクセスに転職するポイントを紹介していきます。

• 関連知識を深めるために勉強する
• 営業やコンサルティングの実務経験を積む

関連知識を深めるために勉強する

カスタマーサクセスには、業界に関する知識が必要になります。そのためコンサルティングやマーケティング、志望業界に関する本を読んでおくなど、事前にしっかりと知識を深めておくことが大切です。

前述のとおり、カスタマーサクセスは業界によっても求められる知識が異なります。そのため、志望業界に関する知識を身につけておくと良いでしょう。

営業やコンサルティングの実務経験を積む

カスタマーサクセスは、自社の商品やサービスを継続的に売り上げるために顧客満足度を向上させることが仕事となっています。そのため、営業職やコンサルタントなどの仕事と近いスキルが求められます。

未経験者を採用する場合、企業も商品やサービスを売り込んできた実務経験を重要視するでしょう。そのため、未経験からカスタマーサクセスを目指す場合は営業やコンサルティングなどの実務経験を積んでおくのがおすすめです。

年収アップを目指してカスタマーサクセスへ転職する方法

カスタマーサクセスに転職する方法としては、転職エージェントや転職サイトなどを利用する方法があります。

ここでは最後に、年収アップを目指してカスタマーサクセスへ転職する方法を詳しく紹介します。

転職エージェントを利用する

転職エージェントの場合、担当者から希望条件や職種などにマッチした求人を提案してもらえます。働きながら転職活動をする場合、時間が取れないというケースも多いですが、転職エージェントを活用すれば効率的に転職活動が行えるでしょう。

転職サイトを利用する

カスタマーサクセスの需要の増加により、転職サイトにも近年ではカスタマーサクセスの求人が掲載されています。そのため自分で求人を探したい人は、転職サイトを活用して応募してみると良いでしょう。

高年収も期待できるカスタマーサクセスについて知ろう

カスタマーサクセスは顧客のニーズを実現し、顧客満足度を上げることで商品やサービスの利益率を保つという役割を持ちます。

ぜひ本記事で紹介したカスタマーサクセスが生まれた背景やカスタマーサクセスの仕事内容などを参考に、高年収も期待できるカスタマーサクセスへの転職を目指してみてはいかがでしょうか。