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ふるさと納税は年末調整では控除できない!正しい申告方法を解説

ふるさと納税は年末調整では控除できない!正しい申告方法を解説

「年末調整ではふるさと納税は控除してくれないの?」
「ふるさと納税は税控除できるって聞いているんだけど、どう手続きすればいいの?」
自身のふるさとや応援したい地方がある、あるいはお得だからという理由でふるさと納税を選択することがありますが、控除の方法が分からないという方も多いのではないでしょうか。

本記事では、年末調整でふるさと納税の控除はできないことの説明や、ふるさと納税で控除を受けるための手続きについて紹介します。併せて、ふるさと納税の控除を受ける際の注意点についても紹介しています。

この記事を読むことで、年末調整ではふるさと納税の控除はできないことが分かります。ふるさと納税を控除するにはどのように手続きすればよいのか、またふるさと納税控除の際に気をつけたいポイントについても把握できるでしょう。

この記事を参考にして、ふるさと納税の控除の仕方を正しく理解しましょう。

年末調整ではふるさと納税の控除はできない!

年末調整ではふるさと納税の控除はできない!

「ふるさと納税」とは、地方創生を理念として掲げた納税制度のことです。現代では地方で生まれ育った人でも都心部に出てきてしまい、地方に人が残らず、地方が税金不足で財政難になるケースが増えていました。そこで地方にも納税できるようにしたのが、ふるさと納税です。

ふるさと納税には納税者が自身で寄付先となる自治体を選べることから納税の意識を高められること、ふるさとや応援したい地方をサポートしやすくなること、自治体もふるさと納税してもらうために競争するという意義があります。

そんなふるさと納税が年末調整で控除できないのはなぜなのか、見ていきましょう。

出典:ふるさと納税の理念|総務省

年末調整でふるさと納税の控除ができない理由

会社員のように、年末調整で納税関係がすんでしまう方が多いのですが、年末調整ではふるさと納税の控除はできないことに注意してください。

どうして控除できないのかというと、そもそも年末調整は多くの会社で12月の給与日に計算されるのに対して、ふるさと納税の総額については12月31日になるまで分からないためです。

たとえば12月24日が給与日だった会社の場合、12月24日の段階で年末調整します。しかし12月24日以降にふるさと納税することが可能なため、年末調整でふるさと納税の控除を受けることはできないのです。

出典:年末調整でふるさと納税はできない!サラリーマンが還付する方法|No.1税理士法人

年末調整で手続きが可能な控除

それでは、年末調整で手続きが可能な控除には何があるのでしょうか。

・基礎控除
・扶養控除
・配偶者控除
・生命保険料控除
・地震保険料控除
・社会保険料控除及び小規模企業共済等掛金控除
・住宅借入金等特別控除
・障害者控除
・ひとり親控除、寡婦控除
・勤労学生控除

年末調整で手続き可能な控除には、これらのものがあります。ただ、年末調整で控除を受けるためには申告書や、保険料を支払った証明書類等が必要となることに注意しましょう。

出典:給与所得者(従業員)の方へ(令和4年分)|国税庁

ふるさと納税で控除を受けるための手続き方法

ふるさと納税で控除を受けるための手続き方法

ふるさと納税で控除を受けるためには、基本的には確定申告をする必要があります。確定申告とは、1月1日~12月31日までの1年間の所得額を出し、それに対する所得税額を計算して確定させることです。

ここからは、確定申告でふるさと納税の控除をするための流れや、必要なもの、ふるさと納税に使える「ワンストップ特例制度」などについて紹介します。ぜひ、参考にしてみてください。

出典:No.2020 確定申告|国税庁

確定申告でふるさと納税の控除を受ける方法

確定申告しなければならないと言われると、難しいことのように考えてしまう方も多いのではないでしょうか。しかし年末調整を受けていて、確定申告で申告しなければならないのがふるさと納税のみという場合は、手続きはそう難しくありません。

ここではふるさと納税で確定申告をする際の流れと、ふるさと納税で確定申告の控除を受ける際に必要な書類をまとめてみました。まずは必要書類を集めて、流れの通りに手続きしてみましょう。

ふるさと納税の確定申告の流れ

ふるさと納税をしていて「ふるさと納税ワンストップ特例制度」や「ふるさと納税ワンストップ特例を申請していない」方は、確定申告をする必要があります。

納税から確定申告までの流れについて紹介します。

・ふるさと納税をする自治体を選んでふるさと納税をする。
・ふるさと納税をした翌年3月15日までに確定申告をする。
・所得税から控除される(既に所得税を支払っていた場合還付が発生する可能性がある)
・翌年度住民税額から控除(減額)される

ふるさと納税で確定申告した場合、所得税と翌年度の住民税から控除を受けられます。

出典:ふるさと納税の仕組み|総務省

ふるさと納税で確定申告の控除に必要なもの

ふるさと納税は、寄付金にあたります。そのためふるさと納税で確定申告の控除を受けるには、ふるさと納税した自治体から発行された「寄附の証明書・受領書」や、「専用振込用紙の払込控(受領書)」が必要です。

複数の自治体でふるさと納税していた場合は自治体ごとの証明が必要ですが、「寄付金控除に関する証明書」で1つにまとめた証明書でも問題ありません。

ふるさと納税を実施した後、その自治体から届いた書類や寄付金控除に関する証明書はきちんと保管し、確定申告する際に添付して提出しましょう。

出典:【申告書の提出】|国税庁

ワンストップ特例制度でふるさと納税の控除を受ける方法

ふるさと納税では「ワンストップ特例制度」を利用することも可能です。ワンストップ特例制度とは、ふるさと納税をしたいけれど確定申告をするのが面倒くさいという方向けに、確定申告の必要をなくした制度です。

ここからはふるさと納税の控除を簡単にしてくれる、ワンストップ特例制度とはどんな制度なのか、ふるさと納税控除をワンストップ特例制度で行うための流れ、ワンストップ特例制度を申請する条件などについて紹介します。

ワンストップ特例制度とは?

ワンストップ特例制度というのは、もともと確定申告の申請の必要がない給与所得者等がふるさと納税した場合に、確定申告しなくても翌年の住民税額から控除されるという形で、寄付金控除を受けられるようにした制度です。

本来、ふるさと納税の控除を受けるには確定申告をしなければならないと紹介してきました。しかしワンストップ特例制度が創設されたことにより、もともと確定申告の必要のない人は確定申告する必要がなくなり、ふるさと納税を選択しやすくなったというメリットがあります。

出典:ふるさと納税トピックス|総務省

ふるさと納税控除をワンストップ特例制度で行う流れ

ふるさと納税控除をワンストップ特例制度で行う際の流れは、まずはふるさと納税したい自治体を選んでふるさと納税を行いますが、その際に「ふるさと納税ワンストップ特例の申請書」を提出するだけです。

ただ、ふるさと納税先の自治体によって申込手続や申請書が変わることがありますので、確認してみてください。

ふるさと納税先の自治体が5つ以内であれば、申請書を送ることでワンストップ特例制度を受けられます。しかし6つ以上の自治体にふるさと納税する場合は、ワンストップ特例制度は受けられないので確定申告しましょう。

ワンストップ特例制度により所得税からの控除は行われませんが、ふるさと納税をした翌年度の住民税から、ふるさと納税による控除額が全て減額されます。

出典:ふるさと納税のしくみ|総務省

ふるさと納税控除でのワンストップ特例制度の申請条件

ふるさと納税控除でワンストップ特例制度を申請するには、以下の条件を満たしている必要があります。

・もともと年末調整等しており確定申告する必要がない方
・1年間のふるさと納税先である自治体が、5つ以内
・ふるさと納税申し込みのたびにふるさと納税ワンストップ特例の申請書を提出している

年収2,000万円以上の方や確定申告が必要な方は、ワンストップ特例制度は利用できません。1年のうちに5回以上ふるさと納税した場合でも、同じ自治体であれば1つの自治体への寄付と見なされます。

しかし、同じ自治体へのふるさと納税でも申し込むたびに申請書を提出する必要があります。

出典:ワンストップ特例制度を希望する方へ|奥出雲町役場

ふるさと納税控除でのワンストップ特例制度の利用に必要なもの

ふるさと納税控除でワンストップ特例制度を利用する際に、必要になるものを紹介します。

・ふるさと納税ワンストップ特例の申請書
・マイナンバーカードを所持している方は、マイナンバーカードの表と裏のコピー
・通知カードを所持している方は、通知カードのコピーと本人確認書類
・マイナンバーカードも通知カードもない場合は、住民票の写しと本人確認書類

出典:ワンストップ特例制度を希望する方へ|奥出雲町役場

ふるさと納税控除を行う際の注意点

ふるさと納税控除を行う際の注意点

ふるさと納税控除をする際には、いくつか注意点があります。ここからはふるさと納税の控除申告の期限についてや、ふるさと納税の控除申告を忘れた場合について紹介しています。確認してみましょう。

ふるさと納税の控除申告の期限は?

ふるさと納税の控除申告を確定申告でする場合、原則として翌年の3月15日までに確定申告をする必要があります。

また、ふるさと納税ワンストップ特例の申請書の提出についても、翌年の1月10日までが期限となっているので注意してください。

出典:ふるさと納税のしくみ|総務省

ふるさと納税の控除申告を忘れたら?

ふるさと納税の控除申告を、うっかりと忘れてしまうことがあります。ワンストップ特例を申請していたのに確定申告(寄付金控除なしで)してしまった場合や、申請書の提出期限までに提出できていなかった場合などです。

ふるさと納税の控除申告をなんらかの理由で忘れた場合でも、確定申告期限までに猶予があれば、確定申告することでふるさと納税の控除を受けられます。

確定申告期限までに確定申告書を提出できなかった場合には、申告期限後にあらためて寄付金控除した確定申告書を提出できます。確定申告書を提出していて寄付金の記載を忘れていた場合には、法定申告期限から5年以内であれば更正の請求書を提出して控除を受けられるでしょう。

出典:【No856】ふるさと納税の控除漏れと対処方法|FP総合研究所

ふるさと納税の控除は年末調整ではなく確定申告もしくはワンストップ特例制度で!

ふるさと納税の控除は年末調整ではなく確定申告もしくはワンストップ特例制度で!

ふるさと納税を年末調整で控除できなくて、困っているということはないでしょうか。

ふるさと納税は年末調整では控除されませんが、確定申告することで控除を受けることができますし、もともと年末調整していて確定申告の必要がない方は、ワンストップ特例制度を利用して確定申告する必要なく控除を受けられます。

ふるさと納税を利用して返礼品を受け取りつつ、スムーズに控除を受けてみましょう。

※初回公開日:2022年11月28日

監修:キャリテ編集部【株式会社エーティーエス】

株式会社エーティーエスが運営する本サイト「キャリテ」では、みなさまの「キャリア」「働く」を応援する記事を掲載しています。みなさまのキャリアアップ、より良い「働く」のために、ぜひ記事の内容を参考にしてみてください。

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