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開業届を出すのに必要なものとは?提出の手順や準備方法・注意点を詳しく解説

「開業届について教えてほしい」
「開業したいけれど、必要なものが分からない」
「開業届を提出するとき、どのような点に注意すればいいのだろう」
個人事業主として開業したいけれど、開業届に必要なものや提出の手順、注意点などが分からなくて不安や疑問を感じていませんか。

開業届は税金の諸制度に関わる大切な書類です。

本記事では、開業届の概要や提出のタイミング、開業届を提出するときに必要なもの、提出の手順や注意点についてまとめました。また、開業届以外の書類についても解説しています。

本記事を読めば、個人事業主の開業に必要な開業届を入手し、提出できるようになるでしょう。本記事を参考に個人事業をスタートさせてください。

開業届を提出するタイミングは?

開業届を提出するタイミングは?

開業届とは、個人事業主が事業を始めるときに提出する書類です。実は、開業届が2種類あることをご存知でしょうか。

1つは「個人事業の開業・廃業等届出書」で、納税地を管轄する税務署に提出します。もう1つは「事業開始等申告書」といい、都道府県の税事務所に提出する書類です。

上記、2種類の開業届はそれぞれ提出のタイミングが異なるため、必ず確認しておきましょう。

たとえば「個人事業の開業・廃業等届出書」の場合、「事業の開始等の事実があった日から1月以内に提出」とされています。

一方「事業開始等申告書」は都道府県によって提出期限や提出先が異なるため、確認が必要です。因みに、東京都主税局の場合「事業の開始の日から15日以内に申告」とされています。

出典:[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続|国税庁

出典:事業開始(廃止)等申告書|東京都主税局

個人事業主が開業届を出すのに必要なもの

個人事業主が開業届を出すのに必要なもの

個人事業主が事業を開始したとき、どのようなものが必要でしょうか。代表的な書類としては、開業届が挙げられるでしょう。

開業届以外の書類には「所得税の青色申告承認書」や「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」などがあります。

本章では、税務署へ提出する書類にポイントを絞り、必要なものや書類等についてまとめました。今後、個人事業を始めたいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。

個人事業の開業・廃業等届出書

「個人事業の開業・廃業等届出書」は、2種類ある開業届の内の1つです。新たに事業を始めた人は、事業の開始等の事実があった日から1月以内に、納税地を管轄する税務署へ提出します。

「個人事業の開業・廃業等届出書」の用紙を入手するためには、最寄りの税務署に直接お願いするか、国税庁のホームページからダウンロードしてください。

出典:[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続|法人名

本人確認書類

開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)を税務署へ提出する際、本人確認が行われます。マイナンバーカードを持っている人は、マイナンバーカードを持参しましょう。

マイナンバーカードは身元確認とマイナンバーの両方をチェックできるため、カード1枚を提示するだけで本人確認が可能です。

マイナンバーカードを準備できない人は、マイナンバーが確認できる書類(マイナンバーの記載がある住民票の写し等)と身元確認書類(運転免許証やパスポートなど)の2種類を用意しましょう。

個人番号(マイナンバー)が分かるもの

開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)を提出するとき、個人番号(マイナンバー)を確認できる書類が必要です。マイナンバーカードを持っている人は、マイナンバーカードを用意しておきましょう。

もし、マイナンバーカードを用意できない場合は、個人番号(マイナンバー)を記載している住民票の写し等を持参してください。

印鑑

開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)を提出するとき、印鑑も一緒に持っていきましょう。もしかしたら、書類上の不備による書き直しや押印忘れがあるかもしれません。そのような場合、印鑑があれば、すぐに対応できるので安心でしょう。

青色申告承認申請書

青色申告を希望する個人事業主は「青色申告承認申請書」を提出しましょう。「青色申告承認申請書」の正式名称は「所得税の青色申告承認申請書」と言います。

希望する人は、開業届と一緒に「青色申告承認申請書」を税務署へ提出してください。因みに「青色申告承認申請書」の用紙は国税庁のホームページからダウンロード可能です。

出典:[手続名]所得税の青色申告承認申請手続|国税庁

その他の必要書類

個人事業主が開業する際、開業届以外にさまざまな書類の提出を求められる可能性があります。

本章では、開業届以外の書類についてまとめました。それぞれどのような人に必要なものか解説しています。今後の参考にしてください。

所得税・消費税の納税地の変更に関する届出書

個人事業主の中には自宅と事業所が異なる人もいるでしょう。事業所を納税地に変更する場合、「所得税・消費税の納税地の変更に関する届出書」を提出する必要があります。

提出時期は特に定められていませんが、提出日以降に納税地が変更されます。「所得税・消費税の納税地の変更に関する届出書」は国税庁のホームページでダウンロード可能です。届出書に記入できたら、税務署に提出してください。

源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書

源泉所得税の納期の特例を希望する個人事業主は、「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を給与支払事務所等の所在地の税務署に提出しましょう。

ただし、対象となる個人事業主は、給与の支給人員が常時10人未満の源泉徴収義務者になるので注意してください。

提出期限は特に設けられていませんが、提出日の翌月に支払う給与から適用されます。提出月は適用されないので気をつけましょう。

出典:[手続名]源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請|国税庁

青色専従者給与に関する届出書

青色専従者給与をご存知でしょうか。青色専従者給与とは、青色申告している個人事業主と生計を一にしている家族従業員に支払っている給与手当のことを指します。

上記の青色事業専従者給与を必要経費にしたい人は「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出しましょう。経費に算入したい年の3月15日までに提出する必要があります。

出典:[手続名]青色事業専従者給与に関する届出手続|国税庁

給与支払事務所開設届出書

「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」とは、従業員を雇用して給与を支払う場合に提出する書類です。

ただし、個人事業主は開業時に提出する「個人事業の開業・廃業等届出書」に「給与等の支払の状況」を記載しているため、当書類の提出は必要ありません。

個人事業主の中には開業時は1人で活動していても、事業が軌道に乗ってから従業員を新たに雇うケースがあるでしょう。そのような場合は、「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」を提出してください。

開業届を提出する手順

開業届を提出する手順

開業届を提出するとき、どのような手順で進めればいいのでしょうか。本章では、開業届の内、「個人事業の開業・廃業等届出書」にポイントを絞って解説します。

「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出するためには、「用紙の入手方法」「記入の仕方」「税務署への提出方法」という3つの手順に分けて考える必要があります。各手順について解説しているので、ぜひ参考にしてください。

開業届(個人事業の開業届出・廃業届出書)を入手する

開業届を提出するためには「個人事業の開業・廃業等届出書」を入手する必要があります。「個人事業の開業・廃業等届出書」を入手するためには、税務署の窓口へ直接取りに行くか、国税庁のホームページからダウンロードしてください。

開業届に記入する

「個人事業の開業・廃業等届出書」を入手できたら、各項目に必要事項を記入しましょう。因みに「個人事業の開業・廃業等届出書」の書き方については、国税庁のホームページから「書き方」をダウンロードできるので、必要な人は参考にしてください。

「個人事業の開業・廃業等届出書」に記入する主な項目には、「納税地」「氏名・生年月日・個人番号」「職業」「届出の区分」「所得の種類」「開業・廃業等日」「事業の概要」などがあります。

たとえば「事業の概要」については、事業内容を具体的に記入してください。記入するときは、各項目を確認しながら丁寧に進めましょう。

出典:書き方|国税庁(PDF)

税務署に提出する

「個人事業の開業・廃業等届出書」の記入が完成したら、納税地を所轄する税務署に提出しましょう。

税務署に提出する方法は「直接持参する方法」と「郵送する方法」があります。「直接持参する」場合は、税務署の受付時間内に提出しましょう。

受付時間は平日の8時30分から17時までとなっています。閉庁日(土曜日・日曜日・祝日等)は受付対応をしていませんが、時間外収受箱に投函することが可能です。

「個人事業の開業・廃業等届出書」を「郵送する」場合は、必要書類を管轄する税務署宛てに送りましょう。

また、上記以外に「e-Tax(国税電子申告・納税システム)」を利用した提出方法もあります。確定申告で「e-Tax」を利用する予定の方は、提出方法の1つとして検討してみてもいいでしょう。

出典:[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続|国税庁

出典:申請・届出手続(申告所得税関係) | 【e-Tax】国税電子申告・納税システム

開業届を出す際の注意点

開業届を出す際の注意点

開業届を提出するときの注意点について確認しておきましょう。本章では、開業届の内「個人事業の開業・廃業等届出書」に関する注意点を4つ取り上げています。各注意点について解説しているので、今後の参考にしてください。

開業届の控えは必ず保管

「個人事業の開業・廃業等届出書」(開業届)を提出したら、控えを必ず受け取り保管しましょう。

なぜ、「個人事業の開業・廃業等届出書」(開業届)の控えが必要なのでしょうか。実は、事業資金の融資や小規模事業共済の加入など、さまざまなケースで開業届のコピーの提出を求められる可能性があるからです。

「個人事業の開業・廃業等届出書」(開業届)の控えは、個人事業主の証明書代わりになるため、大切に保管してください。

個人事業税は業種によって変わる

個人事業税は業種によって税率が変わるため、「個人事業の開業・廃業等届出書」(開業届)の「職業」欄に職業名を記入するときは注意しましょう。

個人事業税とは地方税のため、都道府県に納めます。個人事業税の対象になるのは、法律で定められた70の業種に限定されています。因みに、それ以外の業種は個人事業税の対象外になります。

法定業種と税率については、各都道府県に確認しましょう。たとえば、東京都の場合は東京都主税局のホームページで確認できます。

出典:4 法定業種と税率|東京都主税局

納税地の管轄税務署に提出する

「個人事業の開業・廃業等届出書」(開業届)は、納税地を管轄する税務署に提出しましょう。基本的に納税地は住所地を指します。

もし、納税地を管轄する税務署が分からなければ、国税庁のホームページで確認してください。

必要書類は人によって違う

開業に必要なものは人によって異なるため、書類を揃えるときは、どのような書類が必要か慎重に確認しながら進めましょう。

たとえば、青色申告を希望する人は「所得税の青色申告承認申請書」を提出する必要があります。あるいは、給与の支払がある(従業員を雇用する)人は「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」の提出を求められる可能性があるでしょう。

上記のように、個人事業主といってもさまざまな事情があります。開業するとき、どのような状況にあるか確認した上で、必要な書類を揃えましょう。

開業届に必要なものを揃えよう

開業届に必要なものを揃えよう

個人事業主として開業する場合、さまざまな届出が必要です。どのような書類を揃えなければならないか、必ず確認しましょう。もし、開業に必要なものについて不安があるならば、専門家である税理士に相談する方法もあります。

個人事業主として成功するためにも、必要な書類や手続き方法をしっかりとチェックした上で、スタートすることが大切です。

※初回公開日:2023年3月28日

監修:キャリテ編集部【株式会社エーティーエス】

株式会社エーティーエスが運営する本サイト「キャリテ」では、みなさまの「キャリア」「働く」を応援する記事を掲載しています。みなさまのキャリアアップ、より良い「働く」のために、ぜひ記事の内容を参考にしてみてください。

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