「個人事業主だけど、クレジットカードは仕事用とプライベート用とで分けた方が良いのかな?」
「法人用クレジットカードは、個人事業主には必要なのかな?」
「個人事業主がクレジットカードを選ぶ上でのポイントは何だろう?」
このように、個人事業主でクレジットカードを作成しようか、事業用とプライベート用とに分けようか、迷う方は多いのではないでしょうか。

本記事では、個人事業主が法人用のクレジットカードを持つメリットや選ぶポイントについて紹介します。また、法人用クレジットカードの作り方やクレジットカードを持つときの注意点についても紹介します。

本記事を読むことで、個人事業主にはクレジットカードが必要なのかがわかります。また、個人事業主がクレジットカードを持つことのポイントや注意点がわかり、最適な活用方法がわかるでしょう。

個人事業主でクレジットカードを作成しようか迷っている方はぜひご覧ください。

個人事業主が法人用クレジットカードを持つメリット

プライベートで使っているクレジットカードを事業でも利用しているとき、経理の処理が面倒だと感じることはないでしょうか。

クレジットカードは、一般用と法人用に分けられます。「法人用」という名前ですが、個人事業主でも作成ができる法人用のクレジットカードがあります。

個人事業主が法人用クレジットカードを使う場合は、事業用のクレジットカードだと考えておきましょう。

ここでは、個人事業主が法人用クレジットカードを持つメリットについて紹介します。

事業用とプライベートの支出を分けられる

個人事業主は個人が事業をしますが、その事業で得た収入には税金がかかります。そのため、収支をまとめ確定申告を提出する際には、正しい情報、正しい経理処理が必要になります。

プライベート用のクレジットカードを事業で使用していると、経理をまとめるとき「これは家の用事で買ったものか、仕事のために買ったものか」というように、プライベートの支出か、事業用なのかわかりにくくなってしまいます。

プライベートと事業とでクレジットカードを分けておくと、支出を分けられるので、経理の処理が楽になります。

経費の管理が簡単になる

クレジットカードで利用した分は利用明細書にまとめられます。個人用のクレジットカードを事業でも利用していると、クレジットカードの利用明細がプライベートと事業の支出とで入交り、複雑になってしまいます。

法人用のクレジットカードを持っておくと、事業の支出は法人用クレジットカードで処理すれば良いため、後で経費をまとめるときも簡単になります。

支払う手間がかからない

事業をしていると必要なものを購入したり、事業で自動車を使用している方はガソリンや高速代金の支払いもしなければいけません。

個人で事業を行っているため、その支払いは自分で行わなければならず、クレジットカードがなければ支払い用の現金を用意したり、銀行に行くといった手間がかかってしまいます。

しかし、クレジットカードがあればカードの処理だけで済むため、手間がかかりません。

ポイント還元を受けられる

クレジットカードの特典として、カードを利用するとポイントが付与されるサービスがあります。

個人事業では、仕入れの購入や定期的な支払いなど出費がかかることが多いため、支払いをクレジットカードで行えば利用した分ポイントが付与されます。

ポイントが溜まると、ポイントを利用して商品を購入できたり割引もされるなど様々な恩恵が受けられます。

資金繰り対策になる

急な資金が必要なのに、資金が足りないといった状況も想定されるでしょう。法人用クレジットカードがあれば、資金繰り対策も行えます。

また、クレジットカードで支出を管理していると、現在の資金状況を把握しやすいといったメリットもあります。

個人事業主がクレジットカードを持つ際の注意点

事業用のクレジットカードを持つと「年会費は必要なのか」、「分割払いは可能なのか」など気になる点が思い付くでしょう。

ここでは、クレジットカードを持つ際の注意点について紹介します。個人事業主がクレジットカードを持つ注意点を知っておきましょう。

リボ払いや分割払いができないことがある

事業で利用する法人用クレジットカードは、リボ払いや分割払いができない場合が多いです。リボ払いや分割払いを利用する場合は手数料がかかるため、注意しながら使い方を考えましょう。

クレジットカードを取り扱っている会社によっては、リボ払いや分割払いができるものもありますので、クレジットカードの契約前によく確認しておきましょう。

年会費が有料の場合がある

法人用クレジットカードは、年会費がかかるものが多いです。年会費はクレジットカードを取り扱っている会社によって様々であるため、自分の事業の状況に合ったクレジットカードを探してみましょう。

ただし、クレジットカードの年会費は全額経理として処理できます。この点も踏まえて検討してみましょう。

クレジットカードの審査に通りにくい場合がある

個人事業主は企業と違い個人で事業をしているため、事業規模も小さく収入が不安定になりがちです。個人事業主が法人用クレジットカードを申し込むときの審査は、企業以上に厳しいのではないかと考えてしまいがちですが、審査基準は明らかにされていません。

事業の収入が赤字ではなく、自分自身のクレジットやローンなどの履歴に問題がなければ一度申し込んでみても良いでしょう。

法人カード発行に審査が必要な理由

クレジットカードを取り扱う会社は、申し込み相手の支払い能力があるかどうかを審査します。

また、法人用クレジットカードは法人に所属する複数の人が使えるカードです。そのため、カードを悪用しない企業であるかも判断されます。

個人事業主も同じく支払い能力があるか、適切な事業なのかを判断された上でカードが発行されます。

個人事業主で法人用クレジットカードの発行を考えている方は、メリットがたくさんあるカードです。特に事業の経営状況や自分自身の財政状況に問題がなければ、一度申し込んでみても良いでしょう。

個人事業主のクレジットカードを選ぶ際のポイントは？

クレジットカードは取り扱う会社やカードの種類によって、利用枠が違ったり、特典が付くものがあります。

ここでは、個人事業主の方がクレジットカードを選ぶ際のポイントを5点紹介します。自分の事業状況に合わせて、選んでみましょう。

利用枠の確認をする

カードの種類によって利用できる金額の上限が決まっているだけでなく、継続的に利用することで利用枠が大きくなるものもあります。

利用したい金額、自分が行っている事業の経費状況をみてカードを選んでみましょう。

年会費を確認する

年会費は、クレジットカードを取り扱う会社によって異なります。

クレジットカードを取り扱う会社によっては、年会費を安くしているのを売りにしていたり、提携する企業の商品が割引されるものがあります。その他にも、ラウンジ利用ができるなど特典が付くものもあります。

年会費はクレジットカードを取り扱う会社によって幅広く設定されていますので、自分の事業に合ったものを選びましょう。

ポイント還元率を確認する

ポイントの還元率はクレジットカードの種類によって違い、クレジットを取り扱う会社によってポイントの種類も違います。

自分がよく利用するポイントを取り扱っているカードであると、ポイントで物品を購入できたり、割引ができます。ポイントの溜まりやすさやポイントの利用方法などを比べてみて、カードを選ぶのも良いでしょう。

国内・海外旅行傷害保険など付帯保険を確認する

事業で国内や海外に行く機会が多い方は、国内・海外旅行傷害保険が付いているカードを選ぶのも良いでしょう。カードを発行すると付帯で保険が付いているため、改めて保険に加入する必要がなくなります。

また、カードを発行すると保険料が無料になる特典が付いているものもあるため、保険料の節約にもなります。

ただし、カードによっては付帯保険に加入できる条件がありますので、条件を確認しながら自分に合ったカードを選びましょう。

利用したいサービス・特典を確認する

カードのグレードによっては空港ラウンジの利用ができたり、コンシェルジュを手配できたりするものもあります。しかし、サービスや特典が充実している分年会費が高かったり、サービスを利用するためのカード利用金額が決まっている場合があります。

サービスや特典によってカードを選ぶ場合は、利用条件を確認した上で自分に合ったものを探しましょう。

個人事業主が法人カードを作る際に必要なもの・作り方

ここでは、個人事業主での法人用クレジットカードの作り方や必要なものについて紹介します。法人用クレジットカードの申し込みの流れを確認して、カードを作る際の参考にしてください。

必要なもの

法人用クレジットカードを作るためには、登記簿謄本と代表者の本人確認の書類、引き落しのための銀行口座が必要です。

登記簿謄本は法務局で取得できます。オンラインでも申請でき、1通600円で取得できます。クレジットカードを取り扱う会社によっては、印鑑証明書の提出を求められる場合もあります。

他にも、定款や決算書の提出を求められる場合もありますが、個人事業主の場合は、登記簿謄本を提出しておくと良いでしょう。

申し込みの流れ

発行したいカード会社のサイトにアクセスし、必要事項を申し込みフォームに入力します。その後、指定した住所に申込書が届きますので必要事項を記入し提出書類と共に返送します。書類がカード会社に届いた後は入会審査が行われ、審査に通ればカードが発行されます。

カード会社によっては、インターネットで申し込みをすると必要書類の提出をしなくても良い場合もあります。

カード会社によって申し込みに必要な手順が違う場合がありますので、発行したいカード会社の情報を確認しておきましょう。

個人事業主に最適なクレジットカードを選ぼう

個人事業主が法人用クレジットカードを持つと、経費の管理が簡単になるほか、資金繰り対策にもなるなどメリットがたくさんあります。

また、カード会社によって年会費の幅がありますが、ポイント還元や付帯保険が付く特典がありますので、自分の事業状況で検討してみましょう。

この記事を参考に、自分に合った法人用クレジットカードを選びましょう。

※初回公開日：2023年8月7日