残業70時間を続けていくとどうなるか|理想のワークライフバランスを紹介
「残業が続いてつらい…どうすればいいの?」
「残業70時間って大丈夫?」
「残業時間が長く、このままこの会社で働いていて良いのだろうか?」
このように、残業について悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
この記事では、法律で定められている労働時間に関するルールや36協定について、さらに平均残業時間などを紹介しています。
残業70時間を続けていくとどうなるのか、というような残業時間別の生活についても紹介しているため、この記事を読む事で、残業時間の増減によってどのような生活を送ることになるのかが想像できます。
さらに、残業時間が70時間になったときの対処法についても紹介しているため、残業時間が長くてつらいという状況から抜け出すヒントを得られるでしょう。
目次
労働時間のルール
労働時間・休憩・休日について、法律で労働時間の上限・付与する休憩時間と休日の付与日数の下限が定められています。
原則は、1日8時間、1週間で40時間以上の労働をさせてはいけないと定められています。また休憩については、労働時間が6時間以上の場合は45分以上、8時間以上は1時間の休憩を与えなければなりません。
休日については、毎週1日か、4週間を通じて4日以上の休日を与えなければならないとされています。
残業時間にかかわる36協定とは
労働者の過半数からなる労働組合か、労働者の過半数を代表する者と協定を結ぶと、法定の労働時間を超えた時間外労働や休日労働が認められます。
この協定のことを「時間外労働協定」といい、一般的には「36(サブロク)協定」と呼ばれています。
36協定は締結後、行政官庁に届け出ることが必要です。また、時間外労働時間には上限が定められており、原則では月45時間・年360時間までとされています。
出典:時間外・休日労働に関する協定届(36協定届)|東京労働局
出典:時間外労働の上限規制 わかりやすい解説|厚生労働省(PDF)
残業が月70時間は多い?
一般労働者の令和3年7月分の所定外労働時間の平均は13.3時間でした。産業別に見て、所定外労働時間が一番多い運輸業・郵便業で月平均25.3時間です。
残業が月70時間というのは平均の5倍以上の残業時間となっているため、多いといえるでしょう。
出典:毎月勤労統計調査 令和3年7月分結果速報|厚生労働省(PDF)
残業70時間を続けていくと起こる変化
残業70時間というのは、1日の平均残業時間だと何時間になるのでしょうか。
ここでは、残業70時間の生活を続けていくと、心身にどのような変化が起きてくるのかを紹介していきます。
1:プライベートがなくなる
月20日出勤の場合、月70時間残業すると残業時間は1日あたり3.5時間となります。9時から18時の8時間勤務の場合、3.5時間残業すると退社できるのは21時30分です。
帰宅後に夕食を食べたり、入浴したり、就寝時間の確保を考えると自由に使える時間はほとんどない日々が続くでしょう。
2:ストレスが溜まっていく
月残業70時間という長時間労働を続けると、ストレスが溜まっていきます。これは、拘束時間が長く、仕事という特定の作業にのみ従事しなければならないことが負担になるからです。
さらに職場での人間関係、仕事量や期限などの問題がのしかかり、ストレスを感じる人が出てきます。
3:生産性がなくなる
とある調査では年間総労働時間が長くなるほど、労働生産性は低下するとされています。
また、パフォーマンスが良いのは年間労働時間が約1,200時間の場合となっており、月20日出勤とすると1日あたり約5時間がピークだとされています。
つまり、残業70時間では年間総労働時間が長くなっているため、生産性が低くなるといえるでしょう。
出典:労働時間と労働生産性|独立行政法人 労働者健康安全機構(JOHAS)
4:体調を崩す恐れがある
残業が続くと、体調に不安を感じ始める方もいるでしょう。
長時間労働は、疲労の蓄積をもたらす大きな要因と考えられています。時間外労働時間が45時間を超えて長くなればなるほど、健康障害のリスクが高まるとされています。
残業が70時間になるときの対処法
残業が70時間になるときはどうすればいいのでしょうか。
ここからは対処法を6つ紹介していきます。まずはこの中から、取り入れられそうな対処法を1つでも行ってみてはいかがでしょうか。
- 労働環境を整理する
- 転職を考える
- 会社の残業制度を確かめる
- 労働基準監督署に相談する
- 残業の考え方を変える
- 仕事の効率を考える
1:労働環境を整理する
残業が減らないのは、作業効率が上がらないことが原因だと言われています。その理由として挙げられるうちの1つが、PCなどにおける機器の能力などが十分ではないため、仕事の環境が整っていないことです。
このような理由であれば、労働環境が整えば残業を減らすことも可能でしょう。
2:転職を考える
残業時間が70時間という会社が存在している一方で、残業が0時間という会社も存在しています。残業が少ない会社にも事情があり、人件費削減のために残業はさせないという会社もあります。
残業がない・少ない会社では、残業代が稼げず手取りが少なくなる可能性もありますが、現在の会社では残業が多すぎてつらいという場合には、転職を考えることも手段の1つです。
3:会社の残業制度を確かめる
みなし残業とは契約書上で、基本給にみなし残業代を含むという契約になっており、70時間以内の残業代は基本給に含まれています。
みなし残業は、毎月の人件費の変動を抑えられるなど会社に有利なシステムです。
このように、みなし残業として定められた残業時間を超過して残業した場合など、超過分の残業代が支給されていなかったといったトラブルの原因になってしまうことがあるため、会社の残業制度は確認しておきましょう。
4:労働基準監督署に相談する
労働基準監督署では、労働基準法に違反していると思われる会社について労働者からの申告を受け付けています。申告や情報提供を受けて、調査が行われることがあり、その際に会社に違法な部分が見つかれば是正勧告が行われます。
申告は守秘義務によって誰が申告したのか、会社に伝えられることはありません。安心して労働基準監督署に相談してみましょう。
出典:労働基準法(労働基準監督官の義務)第百五条|e-Gov法令検索
5:残業の考え方を変える
残業している人が仕事を頑張っている人だという意識を持つ経営者の会社では、社員も残業は当たり前に行うという環境になってしまっています。まわりの人が残業していると、仕事が終わっていても帰りづらく、なかなか帰れなくなっているということがあるでしょう。
まずは、残業が当たり前だという自分自身の残業に対する考え方を変えてみてはいかがでしょうか。
6:仕事の効率を考える
何度も行う仕事であれば、やり方は定まっているのではないでしょうか。ほとんどの人はいつもと同じやり方、いつもと同じペースで仕事を行います。
しかし、一旦他のやり方に目を向けてみましょう。より効率的な方法はないのか考えたり、他の人のやり方を見たり、教えてもらうなどして、今より効率的に仕事ができれば残業時間は減るでしょう。
理想のワークライフバランスは?
残業時間が変化すると、生活はどのように変化するのでしょうか。
残業時間が何時間までであれば理想のライフワークバランスを保てるのか、70時間から0時間まで時間別に見ていきましょう。
1:残業時間70時間の生活とは
定時が18時の場合、残業を70時間すると1日平均3.5時間です。家まで30分かかるとすると、帰宅時間が22時になります。
21時過ぎまでの勤務が続くと、睡眠時間が削られることもあり、ミスが出始め仕事が嫌になっていくでしょう。さらに、平日に仕事以外の時間がなさすぎるために、何かをしようという気にもなりません。
2:残業時間40時間の生活とは
18時が定時である場合、家まで30分かかるとすると帰宅時間は20時30分です。24時に就寝するとして、帰宅時間から就寝まで3時間半ほどになります。
帰宅時間が20時30分を過ぎるため自炊することが難しくなってくるでしょう。調理する時間がなく、ほぼ毎日飲食店通いになる可能性もあります。また、洗濯などの家事も行うと残業40時間では自由な時間がほとんど確保できなくなってしまうでしょう。
3:残業時間20時間の生活とは
18時が定時である場合、家まで30分かかるとすると帰宅時間は19時30分です。24時に就寝するとしても、帰宅時間から就寝まで4時間半の余裕があります。
一般的に残業20時間はホワイト企業だという認識が強い傾向です。20時間ほどであれば1日の残業は1時間程度になるため、自由な時間を楽しむ余裕もありますが、人によっては月20時間が体力の限界だという人もいます。
4:残業無しの生活とは
18時が定時である場合、家まで30分かかるとすると帰宅時間は18時30分です。24時に就寝するとして、帰宅時間から就寝まで5時間半の余裕があります。退社後に映画を見たり、友人や恋人と会ったり、習い事に通うことも可能です。
残業70時間がキツイなら転職も視野に入れよう
ここまで、残業70時間を続けると起こる変化や対処法、残業時間別のワークライフバランスについて紹介してきました。
残業70時間を続けるとプライベートな時間が持てず、次第にストレスが溜まってきます。さらに、仕事の生産性も下がり体調に影響が出てくることもあるため、次第にこの生活を続けることをキツく感じてくるでしょう。
まずは今の会社で、仕事の効率を上げるなど対処できるのであれば行ってみましょう。対処が難しい場合は、残業時間が少ない会社への転職を視野に入れてみてはいかがでしょうか。
監修:キャリテ編集部【株式会社エーティーエス】
株式会社エーティーエスが運営する本サイト「キャリテ」では、みなさまの「キャリア」「働く」を応援する記事を掲載しています。みなさまのキャリアアップ、より良い「働く」のために、ぜひ記事の内容を参考にしてみてください。
-
IT・Web業界で活躍できるお仕事情報多数掲載
-
あなたの成長を叶える魅力的なお仕事情報多数掲載