立ち仕事の体への影響は?メリット・デメリットや座り仕事の影響も解説
「立ち仕事ってかなり疲れそう」
「立ちっぱなしで足や腰が疲れてしまった時はどうしたらいい?」
「座り仕事との違いは?」
接客業や現場での仕事、保育士などの仕事は休憩時間以外、立ちっぱなしになることが多い仕事であるため、体への影響を心配する方も多いのではないでしょうか。
この記事では立ち仕事の体への影響やメリット、立ち仕事をする上で気にしておきたい体の部位、体への影響を減らす方法、座り仕事の体への影響などについて紹介しています。
疲れやすい立ち仕事も正しい姿勢やストレッチを取り入れることで疲れが溜まりにくくなります。
また、座り仕事の負担を軽減するアイテムなども紹介しているため、こういったアイテムを使うことで体への影響を減らし、上手く付き合えるようになるでしょう。
目次
「立ち仕事」を代表する3つの仕事
立ち仕事には多くの種類の仕事があり、ファストフード店やレストランなどの飲食店やアパレルなどの接客業、保育士や介護士、工場などの現場での仕事が代表的です。
どの仕事も立っている時間が長く、場合によっては休憩時間まで立ちっぱなしになってしまうということもあるでしょう。
ここからは、「立ち仕事と言えば」という代表的な仕事を3つ紹介します。
- 飲食店やアパレルなど接客の仕事
- 保育士や介護士の仕事
- 工場など現場での仕事
1:飲食店やアパレルなど接客の仕事
飲食店やアパレルなどの接客をする仕事では、立ったままの時間が多くなります。
海外のスーパーマーケットでは座ってレジを打つ場所もありますが、日本では立ったままが一般的です。立っていることは「お客様を迎える」という姿勢が感じられ、逆に座っていると「やる気がないように見える」というイメージや風潮があるからでしょう。
2:保育士や介護士の仕事
保育士や介護士など、幼児や高齢者を相手とする仕事も立ったままでいることが多い仕事です。立ったままでの作業のみではなく、幼児や高齢者の介助をしたり、一緒に身体を動かすこともあったりと、体力も必要になります。
座って休憩できる時間も、状況によっては幼児の世話に動き回ることもあり、ゆっくりと休憩できないこともあるでしょう。
3:工場など現場での仕事
工場などで作業がある仕事も、立ったままの時間が長いといえます。
動き回って体全体を使う職種もあれば、1つの場所で同じ動作を続ける職種もあります。休憩時間が来るまでは座ることができないという場合も多くあります。
作業自体に体力を使う場合や、危険が伴う作業の場合は立ちっぱなしであること以外に緊張感などの心の負担もかかってくるため、安全に仕事ができるように配慮が必要です。
立ち仕事の体への影響やデメリット3つ
立ち仕事は座ってする仕事よりも体に負担がかかる場合が多くあるでしょう。
立ったままでいることで腰の筋肉が固まったり、足の血流が悪くなったりすることで腰痛や足の痛みなどのトラブルを抱えているという人も多くいるでしょう。ここからは、立ち仕事をすることで出る体への影響やデメリット3つを紹介します。
- 腰痛のリスクがある
- 足のトラブルが多い
- 慣れるまでは疲れやすい
1:腰痛のリスクがある
人間は立っていると腰に負担がかかっている状態になり、立ち仕事が続くと筋肉が固まってしまい、腰痛が引き起こされるリスクがあります。
「中殿筋」という骨盤を支えている筋肉に負担がかかりやすく、中殿筋が固まってしまうことで周辺の筋肉が影響を受け、腰痛になっているということもあります。
出典:中殿筋(ちゅうでんきん)~典型的な「腰痛」の原因筋~|大川接骨院
2:足のトラブルが多い
立ったままで仕事をしていると足が疲れたり、だるくなったりなどの足のトラブルを抱えている人も多くいるのではないでしょうか。
足を動かすことで筋肉が動き血液が流れやすくなりますが、長時間、同じ姿勢でいると筋肉の動きが少なくなり、血液が足に溜まってしまうことで血流が悪くなります。
足の血流が悪いと足に疲れやだるさ、痛みやむくみなどのトラブルが出てしまうのです。
出典:立ち仕事で足がだるい人必見!足が楽になる3つの方法|目黒外科
3:慣れるまでは疲れやすい
新しく仕事を始めた時は慣れない動きからくる筋肉痛などで、しばらくは疲れが出やすくなります。
慣れるまでの時間には個人差があり、すぐに慣れてしまう人もいればなかなか慣れず疲れが溜まってしまうという人もいるでしょう。
作業自体に慣れるだけでなく、新しい環境に慣れないといけないという心理的なストレスもあるため、休める時はしっかり休むなど疲れを溜めないようにしましょう。
立ち仕事の意外な3つのメリット
腰痛が出たり足にトラブルが出たりと体への負担が大きいと思われがちな立ち仕事ですが、メリットもあります。
ここからは、立ち仕事の意外なメリットを3つ紹介しますので参考にしてください。
- 仕事への集中力を高めやすい
- 運動不足解消やダイエットに役立つ
- 姿勢が悪くなりづらい
1:仕事への集中力を高めやすい
座って仕事をしていると眠くなったり、他のことが気になったりしてしまうということはないでしょうか。眠気を覚ますためや集中力を取り戻すために席を立ち、トイレなどにいく人もいるでしょう。
体への負担が少ない座り仕事だと、他のことに気が散ってしまいやすくなるのに対し、立ち仕事は緊張感を保ちやすいため、集中力を高めやすいというメリットがあります。
2:運動不足解消やダイエットに役立つ
立っているだけでエネルギーが消費されていることに加え、動くことが多い仕事であれば、運動不足を解消することもできます。
立っている間や動いている時、筋肉を使う場所や動かし方を意識してみましょう。仕事をしている間でも運動やダイエットに役立てることができます。
3:姿勢が悪くなりづらい
座っていると猫背になる人も多いのではないでしょうか。その点、立ち仕事は背筋が伸ばしやすい姿勢といえます。
片側に重心を乗せたりなど姿勢を崩した立ち姿になることがあったとしても、まっすぐに立つことを意識するだけで、体に負担がかかりにくい姿勢になります。
立ち仕事をする時に気にしておきたい3つの部位
立ち仕事をする上で気にしておきたい体の部位には、立ちっぱなしによって血流が悪くなりやすい足や、重たい頭を支える首、一度痛めてしまうと慢性化しやすい腰があげられます。
疲れやすい部位を知ることで体に負担をかけないようにできるため、立ち仕事と上手に付き合えるようになるでしょう。
- 血流に影響する「足」
- 頭を支える「首」
- 痛めると慢性化しやすい「腰」
1:血流に影響する「足」
血液は足を動かすことで筋肉が動き流れていきますが、立ちっぱなしで動きが少ないと筋肉が硬くなってしまい、上手く血液を流せなくなってしまいます。
疲れを溜まりにくくするために足の筋肉を動かすことを意識しましょう。足を動かしたり、ストレッチをすることで固まっていた筋肉がほぐれ、血液がよくなります。
2:頭を支える「首」
人間の重い頭を支えている首は、まっすぐ前を向いていると負担は少なくなりますが、傾いた状態が続くと首への負担は増えてしまいます。
首に負担がかかり続けると首から肩にかけての痛みやこり、しびれが出てしまう場合があります。軽く首や肩を回すなどして、疲れが溜まらないようにしましょう。
3:痛めると慢性化しやすい「腰」
立っている状態が長く続くと、上半身の重みを支えている腰に大きな負担がかかってきます。疲れから猫背のように姿勢が悪くなると、さらに負担がかかります。
腰は負担が大きくなると腰痛に繋がってしまい、放っておくと悪化や慢性化しやすい部位です。普段から予防するための体の動かし方や、異変を感じたらすぐに対処することが必要となります。
軽いストレッチなどをして、腰に疲れを溜めないようにしましょう。
立ち仕事の体の影響を減らす5つの方法
立ちっぱなしで仕事をすることは、座り仕事に比べて疲れが出やすくなる傾向がありますが、なるべく体に負担がかからないように工夫すれば、体への影響を減らすことができます。
ここからは、立ち仕事の体の影響を減らす5つの方法を紹介します。
- 正しい姿勢を意識して過ごす
- 靴を見直す
- 仕事の合間にストレッチをする
- 入浴後のマッサージや適度な運動をする
- 専門家のメンテナンスを受ける
1:正しい姿勢を意識して過ごす
立ちっぱなしで仕事をする場合は、身体が上に引っ張られているイメージで立つことを意識しましょう。体の片側に重心を乗せるとラクに感じますが、重心がかかる片側への負担は増えてしまいます。
正しい姿勢は体への負担を減らすだけでなく、周りの人へ良い印象を与えることにも繋がります。
2:靴を見直す
職種によっては靴が指定されている場合もありますが、立ち仕事での体への負担を減らすには靴を見直すことも大切です。
窮屈さや不安定さのない自分の足のサイズに合うものを選びましょう。疲れを軽減するためにはかかとが包み込まれている形のものや、クッション性のあるものもおすすめです。
ヒールのある靴を履く場合は、ヒールは低めで滑りにくい、通気性が良いなどの機能があるのを選ぶと快適に過ごせるでしょう。
3:仕事の合間にストレッチをする
足や腰、首などに疲れが溜まってしまった時はストレッチをして体をほぐしましょう。
大きく腕を回して肩回りをほぐしたり、首や足首を回したり、ふくらはぎなどの足の筋肉を伸ばしたりすれば、体がほぐれて軽くなります。
痛みを感じない程度にストレッチすることで溜まった疲れをほぐすことができます。
4:入浴後のマッサージや適度な運動をする
入浴は体が温まるだけでなく血流もよくなるため、入浴しただけである程度の疲れは取れるという方も多いでしょう。疲れをとるためにはリラックスした状態でゆっくりと湯舟につかるのがおすすめです。好きな音楽を聴いたり、入浴剤を使ったりして疲れをとりましょう。
また、適度に運動することでも体がほぐれます。ハードな運動でなくても、ウォーキングやジョギングなどで足の筋肉を使うようにすれば、血流が良くなるだけでなく疲れに強い体作りができます。
5:専門家のメンテナンスを受ける
いろいろな対策を取っても疲れがとれない場合は、専門家のメンテナンスを受けてみるのもよいでしょう。
体のこりをほぐすマッサージやゆがみを治すなど、専門家にきちんと治してもらうことで体の疲れや不調が改善することもあります。
深刻な痛みや慢性化する前にメンテナンスを受け、再発させないようにしましょう。
立ち仕事の合間に取り入れられる3つの部位別ストレッチ
ストレッチは疲れを感じた時に手軽にできるものであれば、仕事の合間でも取り入れられます。ここからは、立ち仕事の合間に取り入れられる3つの部位別ストレッチを紹介します。
- 首のストレッチ
- 足のストレッチ
- 腰のストレッチ
1:首のストレッチ
仕事の合間に首のストレッチを取り入れるのであれば、首回しがよいでしょう。
背筋を伸ばし、首をぐるっとゆっくり1周回します。この時、あまり早いスピードで回してしまうと首を痛める原因になります。首の周りの筋肉を伸ばすことを意識しながら、ゆっくりと回しましょう。
右回転、左回転と数回繰り返せば、肩回りのだるさや疲れが解消されます。
出典:立ち仕事、座り仕事、かがみ仕事に効くストレッチ|医療法人 賛健会 城内病院
2:足のストレッチ
足の疲れを取るストレッチをするならば、足ふみや太ももの筋肉を伸ばすとよいでしょう。
足ふみをして足の筋肉を動かすことで体全体の血流が良くなります。背筋を伸ばし、股関節と太ももを意識しながら動かしましょう。
また、足の筋肉を伸ばすストレッチも効果的です。屈伸運動やアキレス腱を伸ばすストレッチも筋肉のこりをほぐし、血流を良くしてくれます。
出典:立ち仕事、座り仕事、かがみ仕事に効くストレッチ|医療法人 賛健会 城内病院
3:腰のストレッチ
腰に疲れが感じられた時は、腰をそらせるストレッチや腰をひねるストレッチ、前かがみになるストレッチをしてみましょう。
ストレッチで腰や背中の筋肉がほぐれ、血流が良くなり体もすっきりするでしょう。痛みがひどい場合やしびれが見られる場合は無理に動かさず、医師の診察を受けてください。
出典:「立ち仕事で腰痛に悩まれている方へ 今日から出来る腰痛を改善出来るストレッチ|天城整骨院
座り仕事の体への影響やデメリット3つ
座り仕事は座った状態を保てるため、立ち仕事に比べると負担が少ないですが、座り仕事にも体への影響やデメリットがいくつかあります。
ここからは、座り仕事の体への影響やデメリットを3つ紹介します。
- 足がむくみやすい
- 腰への負担が大きい
- 眠くなりやすい
1:足がむくみやすい
椅子に座った状態のままでいる場合も、足の筋肉が動かないため血流が悪くなり、足がむくみやすくなります。
下半身の血液は足の筋肉が動くことで流れていきます。しかし、座り仕事では足の筋肉の動きは少なく、さらに座ることでお尻や太ももが圧迫され血液が流れにくくなり、水分が足に溜まってしまい、むくんでしまうのです。
適度に歩き回ったり、ストレッチをするなどをして筋肉を動かすようにしましょう。
2:腰への負担が大きい
座り仕事は足への負担は少ないですが、腰への負担が大きくなります。猫背になったり、反り腰になったりと座っている時に姿勢が悪くなってしまうことは多いでしょう。
座り方を工夫したり、疲れにくい座り方ができるようなクッションなどを活用したりして、腰への負担を減らすとよいでしょう。
3:眠くなりやすい
座った状態で長くいると眠くなってしまうという人も多いのではないでしょうか。特に寝不足の日や昼食後など、眠気を覚ますのに一苦労したという経験がある人は多いでしょう。
動きが少ない座り仕事で単調な作業をしていると眠くなってしまう傾向があります。眠くなってしまった場合は少し歩いたり、窓を開けるなどして換気をしたりするとよいでしょう。眠くならないために睡眠をしっかり取っておくことも大切です。
座り仕事の体への影響を軽減できるアイテムは?
座り続けることによる腰痛や肩こりなどのダメージを軽減できるアイテムを取り入れてみるもよいでしょう。ここからは、座り仕事の体への影響を軽減できるアイテムを紹介します。
- モニターアーム
- 負担軽減対策ができるデスク
モニターアーム
モニターアームとは、パソコンのモニターに付けて高さや角度を自由に変えられるアイテムのことです。自由にモニターの位置を変えられることで前かがみにならず、正しい姿勢でモニターを見ることができます。
体に無理のない位置に設置することで、体に負担がかかりにくくなり肩こりや目の疲れを軽減できるでしょう。
負担軽減対策ができるデスク
オフィス用デスクのなかには、体にあった高さに変えられるデスクや、天板の傾斜を変えることで手首への負担を軽減できるデスクなどもあります。
長時間の座り仕事でも体への影響を軽減できるものを選びましょう。
高さが変えられるもの
適切な机の高さには個人差があるため、高さが自由に変えられるものを選ぶとよいでしょう。高すぎても低すぎても、肩に負担がかかったり、足元が動かしづらかったりと体に負担がかかってしまいます。
椅子に座った状態で肘が90度前後の位置になるように高さを調節しましょう。無理のない姿勢で座ることで体への負担を軽減できます。
天板の傾斜が変えられるもの
パソコン使用時などに前傾姿勢になってしまうということはよくあることです。そこで、天板の傾斜が変えられるデスクであれば、前のめりにならなくてもよい角度に調節できるため、首や肩への負担を軽減することができます。
デスクに傾斜を付けることで目線が下がらず、正しい姿勢を保ちやすくなります。
立ち仕事の体への負担を意識して転職を考えてみよう
ここまで立ち仕事での体への影響やメリット・デメリット、対処法やストレッチの方法について紹介しました。
長時間立ったままになり、足や腰に負担がかかりやすい立ち仕事ですが、正しい姿勢やストレッチの仕方を取り入れて上手に付き合えるようになりましょう。
監修:キャリテ編集部【株式会社エーティーエス】
株式会社エーティーエスが運営する本サイト「キャリテ」では、みなさまの「キャリア」「働く」を応援する記事を掲載しています。みなさまのキャリアアップ、より良い「働く」のために、ぜひ記事の内容を参考にしてみてください。
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