退職後の転職活動は不利?|30代の転職状況や成功のポイントも紹介
「30代で次の転職先が決まっていないけれど、退職しても大丈夫?」
「退職前に確認すべきことは?」
「30代の転職活動を成功させるためのポイントは?」
30代で転職を考えている方の中には、このような悩みや不安を多く抱えている方もいるのではないでしょうか。
本記事では、30代の退職に備え事前に知っておきたい事柄や30代の転職が成功しやすくなるポイント、さらに、退職後に転職活動を始める場合のデメリットなどを紹介します。
事前に注意点を把握しつつ、これからの転職活動に備えることができれば、あなたの理想とするスムーズなキャリアチェンジを実現できます。
30代での転職や退職後の転職活動を検討している方は、是非この記事をチェックしてみて下さい。
目次
30代で退職する人の比率
30代での退職事例は決して少なくありません。
例えば、厚生労働省の令和2年雇用動向調査結果において、令和2年1年間における性・年齢別の離職率が公表されています。結果は以下の通りです。
・30~34歳男性:離職率11.1%
・35~39歳男性:離職率9.4%
・30~34歳女性:離職率17.0%
・35~39歳女性:離職率14.3%
つまり、日本で働く30代の労働者のうち、その2割近くの人間が、毎年何らかの理由で退職を決断していると言えるでしょう。
出典:令和2年雇用動向調査結果 3.性、年齢階級別の入職と離職|厚生労働省(PDF)
30代が退職しようと思う理由
30代は多くの人にとって、人生の節目となる時期です。
例えば、仕事では後輩・部下を持つことで責任が大きくなったり、プライベートでは結婚・出産・育児などを経験したりする時期でもあります。
そのようなことから、自らの将来について考える機会も増え、その流れで退職・転職を考えてしまうのでしょう。
ここからは、30代が退職を考える理由について紹介します。
- 給与や賞与に対して不満があり退職したい
- 残業や休日の日数など労働時間に不満があり退職したい
- 業務内容や役職などに不満があり退職したい
- 職場の人間関係など環境に不満があり退職したい
- 企業の将来性へ不安があり退職したい
1:給与や賞与に対して不満があり退職したい
30代ともなると、人によっては働き始めてから10年以上経過するタイミングです。
周りの人間と自分との給与・賞与にも大きな差が出始め、自分の待遇に疑問・不安を抱く人も少なからず出てきます。さらに、結婚・育児などのターニングポイントを経ると、将来の収入についてよく考える時期です。
このようなタイミングをきっかけに、給与・賞与面の理由から退職を決意する人もいるでしょう。
2:残業や休日の日数など労働時間に不満があり退職したい
自らの働き方や、人生観に対しての価値観や考え方にも明確に違いが表れてきます。
例えば「自分の時間を削り、休みを返上しても働きたい」という価値観の人がいる一方で、「プライベートや家族・友人との時間を優先したい」という価値観の人もいるでしょう。
このような、自らの働き方に対する価値観と、会社から求められる働き方が合わないという理由で、退職を決断する人もいるでしょう。
3:業務内容や役職などに不満があり退職したい
30代となると、多くの人はそれなりに仕事内容も覚え、次のステップアップや将来のキャリアについて考え始める時期とも言えます。
そのような状況下では、当然「今の業務内容に満足できない」「違う仕事にチャレンジしてみたい」「責任のある立場で仕事がしたい」などの想いも湧いてくるでしょう。
今の環境では目標とするキャリアアップが実現できないと分かれば、必然的に退職・転職を検討するようになります。
4:職場の人間関係など環境に不満があり退職したい
多くの仕事は、人との関わりの中で成り立つものです。
仕事にやりがいを感じ、待遇面に不満がない場合でも、上司や同僚・取引先との人間関係が上手くいかなければ、働き続けるのは難しいものです。
そのため、職場環境や人間関係にストレスを感じ、働く環境を改善したいという理由で、退職・転職を決意する人もいるでしょう。
5:企業の将来性へ不安があり退職したい
テクノロジーの進化が著しい現代では、企業の寿命は年々短くなると言われています。その一方で、現代は「人生100年」と言われる時代となり、30代であれば、まだまだこの先30年・40年も働き続けることが求められる時代となりました。
ひと昔前は当たり前だった「ひとつの企業に勤め続け、一生の労働人生を終える」という時代は変わりつつあります。
このような著しい時代変化の中で、今の職場の将来性に不安を感じ、退職・転職を検討する人もいるでしょう。
30代で退職後に転職活動を始める場合のデメリット5つ
一般的に転職市場では、年齢が高くなるほど転職間口は狭まり、なおかつ、長いブランク期間がある程マイナス評価されやすい傾向にあります。
ここでは、そういった30代で退職後に就職活動を始める場合のデメリットについて紹介します。
事前に注意点を把握し対策を練ることで、転職活動をスムーズに進められる可能性があります。しっかりと計画を立てていきましょう。
- 採用基準が厳しい
- お金に関する不安が多い
- 落ち着いて転職活動ができない
- 面接でブランク期間のことを追及される
- 要求されることが予想以上に多い
1:採用基準が厳しい
昨今の新型コロナウイルス感染拡大の企業業績への影響が大きい業界ほど、新規採用には慎重になり、採用基準も厳しくなる傾向が見られます。
特に、中途人材の採用は企業側にとって大きな先行投資となるため、より即戦力に近い人材や採用基準への厳格な合致が求められます。
応募前には、企業が求める人物像を正確に把握しておきましょう。
2:お金に関する不安が多い
退職後に転職活動を始めたとしても、直ぐに希望の企業から内定を獲得できるとは限りません。
多くの方は、退職後に収入が大きく減少することになるため、転職期間中は、貯金の中から生活費をやりくりしなくてはなりません。
このようなことから、退職後に転職活動を進める場合には、金銭面における計画性も必要になります。
3:落ち着いて転職活動ができない
退職後の転職活動で、直ぐに次の転職先が決まれば問題ありません。しかし、中には苦戦を強いられる場合もあります。
転職活動が3か月・半年と長くなればなる程、金銭的にも苦しい時期が続き、加えて、次の転職先が見つかるかどうか分からないという不安や焦りも生じてきます。
過度な不安・焦りは転職活動に悪影響を及ぼし、転職活動を始めた本来の目的を達成できないという、本末転倒な結果に陥る可能性もあるのです。
退職後の転職活動を冷静に進めるためには、事前の計画性が求められるでしょう。
4:面接でブランク期間のことを追及される
退職後のブランク期間は、選考時にマイナスイメージを持たれるのが一般的です。そのため選考時には「なぜブランク期間があるのか」「ブランク期間をどのように過ごしてきたか」などの質問を受けることもあります。
これらのブランク期間に対する追求に対し、採用側が納得できる理由や、プラス評価と取れる活動や実績が求められるでしょう。
5:要求されることが予想以上に多い
一般的な企業における30代社員には、自身の仕事を卒なくこなすことはもちろん、後輩・部下のマネジメントや事業推進なども求められます。この条件は退職後のブランクがある場合でも関係なく、企業が求める条件が変わることはありません。
多くの人が抱くイメージとは裏腹に、30代での転職活動では求められるスキルや経験値が多岐に渡り、その分ハードルが高くなるのです。
企業にアピールするためのキャリアや実績の整理・洗い出しが、対策のポイントになるでしょう。
30代の転職が成功しやすくなるポイント
自身のキャリアプランを実現し、なおかつ、スムーズな転職を実現させるためには、戦略的に転職活動を進めることが重要です。
ここでは、30代での転職を成功させるための5つのポイントを紹介します。
- 今退職する理由を紙に書いて整理する
- 自身のキャリアを企業に伝えやすいようにまとめておく
- 退職後のライフプランを中長期に分けて細かく考えておく
- 譲れない条件を持つ
- 退職後でも妥協せずに転職活動をする
1:今退職する理由を紙に書いて整理する
転職・退職を考え始めたら、まずは退職する理由を洗い出し、紙に書き出して整理してみましょう。退職理由を整理すれば、現状の何に対して不満・不安・課題を持ち、これから何を改善・改革していきたいかが明確になります。
この洗い出しと整理をしっかりおこなえば、自らの転職活動の軸が明確になり、応募企業の選定や面接での受け答えに役立つでしょう。
2:自身のキャリアを企業に伝えやすいようにまとめておく
転職活動では、自身のスキル・経験を簡潔に応募先企業にアピールすることが求められます。いざという時に適切に自己アピール出来るよう、これまでの仕事上での経歴を詳細に洗い出し、まとめておきましょう。
具体的には、これまで経験した仕事の職種・業種・プロジェクトの内容、そして、そこで身につけた専門知識やスキルを洗い出します。さらに、具体的な数値実績や、成果を出すために工夫した点なども加えれば、より説得力のある自己PRが完成するでしょう。
3:退職後のライフプランを中長期に分けて細かく考えておく
現状への不満を理由に転職活動をする場合でも、その時々の感情・思惑だけに囚われていては、良い転職を実現することはできません。
まずは落ち着いて、将来の中長期的なライフプランを考えてみましょう。具体的には、将来の働き方(どこで、どのように、どんな人と働きたいのか)、家族構成、必要となる収入、実現したいことや、逆にやりたくないとなどです。
将来のライフプランを具体的に描ければ、描いたゴールから逆算する思考で転職活動に向かうことが出来、より理想とする転職に近づくでしょう。
4:譲れない条件を持つ
応募先企業の選定について、いくつもの希望条件にこだわることは、決して悪いことではありません。しかし、あまりにも条件が増えすぎると、応募先の選択肢が狭まり、逆にキャリアアップのチャンスを逃してしまうことにもなりかねません。
そこで、応募先への希望条件を整理する時には、条件に優先順位をつけて考えるようにしましょう。
「ここは譲れない」という条件を先に設定しておけば、転職活動に迷いやブレがなくなり、理想とする企業からの内定獲得に近づけられるでしょう。
5:退職後でも妥協せずに転職活動をする
30代で退職後に転職活動を進める場合、30代という年齢とブランク期間が要因となり、転職の難易度が高まる可能性があります。企業とのマッチングが上手くいかなければ、転職活動が長期化することもあり得るでしょう。
しかし、焦り・不安が生じたとしても、妥協して投げやりな転職活動をすることだけは避けましょう。
「仕事が出来るなら何でも構わない」という自暴自棄な転職活動では、たとえ一時的に仕事を見つけられたとしても、退職・転職を決意した本来の目的は達成できません。これまでと同じ後悔や失敗に悩まされることになる可能性もあるため、妥協はしないようにしましょう。
30代の退職で知っておきたい3つのこと
退職後に転職活動をする場合、一時的とは言え無職になります。退職後の転職活動に心置きなく専念できるよう、退職手続きも計画性を持って進めることが重要です。
ここでは、30代の退職で知っておきたい3つのことを紹介します。
- 退職までの有給休暇の残り日数
- 退職手当の確認
- 雇用保険の申請方法や条件
1:退職までの有給休暇の残り日数
退職し、無職の状態で転職活動をするのは、精神的にも焦りや不安が募るものです。
そのため有給休暇を有効に使い、有給休暇に残り日数がある場合は、在職中に消化して、転職活動のために活用しましょう。
2:退職手当の確認
退職後に転職活動を進めるとなると、退職後は収入が一時的に大きく減少する可能性があり、貯金の中から生活費をやりくりする必要があります。
現在勤務している会社に退職金制度がある場合には、退職金や退職手当が支給されるため、支給額を確認しておくようにしましょう。また、退職手当を受給する場合、必要な所要年数も関わってくるため、自分が該当するのかについても確認しておく必要があります。
3:雇用保険の申請方法や条件
転職先が未定のまま会社を退職した場合、条件次第で雇用保険が適用され、失業給付が支払われます。この失業給付は、退職後に転職活動をおこなう求職者にとっては、活動期間中の貴重な収入源になるのです。
ただし、失業手当の給付には一定の条件があります。退職前に申請方法や給付の詳細条件を確認し、給付金額や時期の見通しを立てておくと良いでしょう。
30代で退職する場合は状況を整理して冷静に転職活動しよう
30代で退職後の転職活動を成功させるには、退職前からの計画性を持った準備が重要です。事前の準備が出来ていれば、退職後も落ち着いて転職活動に専念できます。
まずは退職届を出す前に、今の状況整理として「退職理由やこれまでのキャリア・実績の洗い出し」「退職後のライフプランの作成」「転職先に求める条件整理」などに取り組んでみましょう。
退職届を出すのは現状の整理が出来た後でも遅くはありません。計画性を持った準備で、あなたの理想とするキャリアアップ・転職活動を実現しましょう。
監修:キャリテ編集部【株式会社エーティーエス】
株式会社エーティーエスが運営する本サイト「キャリテ」では、みなさまの「キャリア」「働く」を応援する記事を掲載しています。みなさまのキャリアアップ、より良い「働く」のために、ぜひ記事の内容を参考にしてみてください。
-
IT・Web業界で活躍できるお仕事情報多数掲載
-
あなたの成長を叶える魅力的なお仕事情報多数掲載