提案営業が行う仕事内容とは?転職後に押さえたい6つの提案手順も解説
「提案営業ってどんな仕事をするの?」
「実際に提案する場合の手順について知りたい!」
提案営業に興味がある・転職してみたい人の中には、このような疑問や興味があるのではないでしょうか。
本記事では、提案営業の仕事内容や関連職種との違いなどの基礎的な知識とともに、転職するメリットデメリット、転職後に押さえておきたい提案手順、必要とされる資格などの具体的な情報についても解説しています。
この記事を読むことで、提案営業の仕事内容や転職する際に必要となる資格や適性を知ることが可能です。さらに転職後にどのように提案営業をしていけばいいのか手順を理解することで、スムーズに転職後に活躍できるでしょう。
提案営業の仕事に興味がある人は、ぜひチェックしてみてください。
目次
提案営業が行う仕事内容
提案営業は顧客が抱えている悩み・問題を把握し、解決策として自社製品やサービス購入・契約を提案することが仕事です。主な仕事内容としては、顧客に対するヒアリングと悩み・問題に応じた製品やサービスの提案となっています。
ヒアリングと提案は提案営業をする上で非常に重要なポイントと考えられており、顧客が自覚しているニーズだけではなく、自覚していない潜在ニーズを引き出すことが提案営業の大切な仕事だと言えます。
提案営業と関連する職種との違い
提案営業と関連している職種として挙げられているのが、ソリューション営業と御用聞き営業です。どちらも提案営業と同じく、顧客にヒアリングして製品やサービスを提案する営業スタイルだと言えます。
そのため、ソリューション営業や御用聞き営業は提案営業と同じものだと考えられがちですが、実は違いがあるのです。ここからは、提案営業と関連職種との違いについてご紹介します。
ソリューション営業との違い
ソリューション営業との違いは、顧客の悩みや問題を解決する際に自社製品やサービスだけではなく、具体的な解決方法も売り込むかどうか、という点です。
提案営業は悩みや問題を解決するためのツールとして、自社の製品やサービスの販売・契約を行っており、実際にそれを使った解決方法を模索するのは顧客側となっています。
それに対してソリューション営業は、解決方法もセットで販売・契約するため、より顧客のニーズに沿った営業をすることが可能です。
御用聞き営業との違い
御用聞き営業との違いは、顧客にヒアリング・提案するかどうかという点です。御用聞き営業は、顧客に言われたものや要望にそのまま従って製品やサービスの発注・契約を行うため、ヒアリングや提案はほとんど行われません。
このような点から、御用聞き営業は特に顧客の悩みや問題に寄り添うわけではないため、提案営業とは大きく異なるスタイルだと言えます。
提案営業職に転職するメリット
提案営業職に転職するメリットとしては、営業としてのスキルや価値を上げられる点です。
提案営業は通常の営業よりもヒアリングや提案に力を入れなければならないため、顧客のニーズを把握する能力や問題解決に関するスキルを鍛えることができます。そのため、営業としてのスキルや価値を高めることが可能です。
そうすることで顧客からの信頼も獲得しやすく、長期的な売上につなげやすいところがやりがいになる点もメリットだと言えます。
提案営業職で考慮すべきデメリット
提案営業職に転職する際には、メリットだけではなくデメリットも考慮する必要があります。提案営業職をするデメリットは、コミュニケーション能力や提案力が営業力に直結しているところです。
営業職にはコミュニケーション能力が必須ではありますが、顧客の悩みや問題を解決するための提案力は欠かせません。また、問題解決までに時間がかかりやすく、成果や売上に反映させるためには時間やコストがかかる点にも注意が必要です。
提案営業職のやりがいとは?
提案営業はヒアリングや提案によって、顧客を助ける仕事です。そのため、困っている人や悩みを抱えている人たちのサポートができるという点にやりがいを感じる人は少なくありません。
このように自分の力が誰かの役に立っているところが提案営業の大きなやりがいであり、仕事を続ける上でのモチベーションにつながりやすくなっています。
転職する前に覚えておきたい提案営業の基礎的な段階
提案営業では、顧客にヒアリングすることで見えてきた課題に対しての解決方法や、自社製品・サービスを提示していきます。ただ、いきなり製品やサービスを提示するのではなく、ある程度段階的に提案をしなければなりません。
ここからは、転職する前にまず覚えておきたい提案営業の基礎的な段階を2つに分けて解説します。
1段階目として「把握できた課題に対する提案」をする
まずは、ヒアリングによって把握できた課題に対しての提案を行います。例えば、顧客から製品やサービスの導入を検討しているという要望や希望があった場合は、なぜ導入が必要なのか、他の方法で課題を解決できないかなどを提案する形です。
その中で顧客から具体的な製品やサービス導入の要望が出たとしても、より課題解決に適している製品やサービス、製品やサービス以外での解決方法を提案するなどのアプローチもあります。
2段階目に「本質的な課題に対する提案」をする
1段階目で把握できた課題に対する提案を行った後は、さらに踏み込んで本質的な課題に対する提案を行います。例えば、1段階目で顧客が製品やサービスの導入を要望した際に確認した理由をさらに掘り下げていくという形です。
本質的な課題に対して提案することで、顧客自身が気づいていない潜在ニーズを把握できます。潜在ニーズにアプローチできれば、より具体的な課題解決を図れるのはもちろん、顧客からの信頼を得やすくなるところがメリットです。
転職後に押さえたい提案営業の6つの手順
提案営業をするためには、まず顧客との信頼関係をつくるところからはじめるなど、手順に沿って進めていく必要があります。
ここからは、転職後に押さえておきたい提案営業の手順を6つの段階で解説します。ぜひ、参考にしてみてください。
1:顧客と信頼関係をつくる
提案営業をはじめるためには、まずは対象となる顧客との信頼関係をつくる必要があります。信頼関係がつくれなければ本質的な課題の解決に至れず、本音を引き出すことができません。
顧客に信用してもらうためには、いきなり提案をするのではなく、自分から心を開いて話を聞いてもらえる関係性を築くことが大切です。
2:顧客が持つ課題を見つける
ある程度顧客と信頼関係が築けたら、顧客が持つ課題をヒアリングを経て見つけていきます。ただしここで注意しておきたいのが、複数の視点からヒアリングを行って課題を見つけることです。
担当者の話を聞くだけでは、担当者の目線でしか課題が見えてきません。社長や部長、現場の担当者などそれぞれの目線で課題は異なるため、最終的にはキーパーソンとなる人物が抱える課題を見つけていく必要があります。
3:課題に対する認識のすり合わせを行う
顧客の課題を見つけた後は、いきなり提案するのではなく、課題に対する認識のすり合わせを行います。顧客と課題に対する認識がずれていると、的外れな提案をしてしまう可能性があるためです。
課題をわかりやすくまとめ、内容や認識が合っているかどうか顧客と話すことがポイントになります。
4:自社の商品・サービスに対して興味を持たせる
提案する前に、顧客の課題を自社の商品やサービスで解決してもらいたい場合は、まず自社の商品やサービスに対して興味を持ってもらう必要があります。
興味を持たせるためには、顧客の目線に立って商品やサービスを見ることがポイントです。また、興味がない顧客に対しては時間をかけて説明する、興味がない理由を聞いてから裏を突いた説明をするなどの対策ができます。
5:課題に対する具体的な解決策の提案を行う
ここまでの手順を踏んでから、ようやく顧客に対して具体的な解決策を提案します。提案する際には提案書を用いて、取り上げた課題が適切かつ提案した内容が課題に対してフィットするように、わかりやすくまとめることがポイントです。
また、伝える際にも言葉遣いや表情、立ち振る舞いなどを使ってわかりやすく伝える必要があります。
6:質問を使ったクロージングを行う
クロージングは成約のことを指しており、提案営業をはじめとした営業の最終段階を言います。クロージングでは無理に成約を進めるのではなく、ある程度考える期間を設けて顧客に決定権をゆだねることが大切です。
成約の見込みの有無を確認するために、納期に関することや提案に関する質問をぶつけることで、具体的な回答が返ってくるかどうかを確認する必要があります。
提案営業職に向いている人の特徴
提案営業に興味を持って転職を検討している人は、自分が提案営業に向いているかどうかを把握するといいでしょう。向いている人の特徴を知っておけば、転職後のミスマッチを予防しやすくなります。
ここからは、提案営業に向いている人の特徴を3つ紹介します。
- 説明が上手
- 相手の性格を見抜くのが得意
- 分析力がある
説明が上手
提案営業は顧客に対して、製品やサービスをはじめとした問題の解決策についてわかりやすく説明して理解を得る必要があります。わかりにくい説明をされても顧客は納得しにくく、話を聞いてもらえなくなるリスクもあるためです。
相手にわかりやすく説明ができる・説明が上手である人は提案営業に向いていると言えます。
相手の性格を見抜くのが得意
顧客が抱えている課題や問題、潜在ニーズを引き出すためには、ヒアリング能力が不可欠です。ただ、ヒアリング能力だけではなく、相手の性格を見抜いた上で相手に合わせた対応ができる能力や工夫も必要となります。
相手の性格を見抜くことが得意であり、性格に合わせた対応を考慮できる人は提案営業に向いている可能性が高いです。
分析力がある
ヒアリングで得た情報を表面的に捉えるのではなく、しっかり分析して様々な角度から掘り下げることで、より的確な提案ができるようになり、顧客からの信頼も得やすいでしょう。
分析することが提案営業の要素のひとつとして考えられているため、分析力があることも提案営業に向いている人の特徴だと言えます。
提案営業職に向いていない人の特徴
提案営業に向いていない人の特徴も知っておく必要があります。向いていない人が提案営業に転職すると、仕事に対する不満や苦痛を感じてしまう可能性があるためです。
ここからは、提案営業に向いていない人の特徴について3つ紹介します。
- 話すこと自体が苦手
- 人見知りしてしまう
- 数字が苦手
話すこと自体が苦手
提案営業だけではなく営業職全般に言えることですが、そもそも人と話すこと自体が苦手だという人は向いていません。
営業職はどのような種類のものでも人と話をする必要があり、信頼を得るためには会話をする必要があります。そのため、話術が不可欠ではあるものの、人と話すことそのものに苦手意識を持っていると難しいでしょう。
人見知りしてしまう
提案営業は、顧客との信頼関係が構築できるかどうかがポイントになるため、顧客と話をする時は緊張したとしても、相手に信用してもらえる態度が取れるかどうかが大切です。
ただ、人見知りしてしまうタイプは無意識に相手を警戒しやすく、意図せず失礼な態度を取ってしまう可能性があります。なかなか信頼関係も構築しにくいため、向いていないと言えるでしょう。
数字が苦手
営業の仕事は、顧客企業の数字などを見て分析する能力が求められます。また、売上目標や集計など、数字に関わる業務をこなさなければなりません。
そのような点から数字が苦手だという人は、提案営業をはじめとした営業職にはあまり向いていない可能性があります。
提案営業に必要とされる資格
提案営業をするためには資格は必須ではないものの、ある程度仕事をする上で活用できる・取得しておくことを推奨されている資格はいくつかあります。中には仕事に欠かせない資格もあるため、転職前に取得しておくと便利です。
ここからは、提案営業に必要となる資格を3つ紹介します。
Google アナリティクス個人認定資格
Google アナリティクス個人認定資格とは、Googleが認定している資格です。Googleアナリティクスを適切に利用できることを証明する効果があり、Googleアナリティクスの情報分析やユーザー行動の理解を深めることができます。
提案する際に説得力のあるプレゼンができるようになり、顧客からの信頼も獲得しやすくなる可能性が高いでしょう。
営業士検定
日本営業士会が運営している検定試験である営業士検定は、マーケティング・セールスのスペシャリストとして営業パーソンとして必要な知識や能力を有していることを証明することが可能です。
取得しておくことで営業のノウハウを理解して実践できることをアピールできるため、営業関連の職種に転職する際には有利であることはもちろん、仕事でも活用できるでしょう。
普通自動車運転免許
営業職は顧客のところに向かう際、電車をはじめとした公共交通機関を利用することもありますが、社用車を使用することも少なくありません。特に社用車で営業回りをする会社の場合は、普通自動車運転免許が必要です。
社用車を使用しない会社であっても、普通自動車運転免許を取得しておくと転職しやすい部分があるでしょう。
提案営業職への転職を目指そう
この記事では、提案営業の仕事内容や提案手順について解説してきました。提案営業の仕事内容は顧客のニーズに寄り添うためのものであり、商品やサービスを販売するよりも顧客の課題解決を目標としている傾向が強いです。
ヒアリングや提案、コミュニケーションなどの能力が求められるため、転職を検討している人はそれらのポイントも視野に入れてみてください。
監修:キャリテ編集部【株式会社エーティーエス】
株式会社エーティーエスが運営する本サイト「キャリテ」では、みなさまの「キャリア」「働く」を応援する記事を掲載しています。みなさまのキャリアアップ、より良い「働く」のために、ぜひ記事の内容を参考にしてみてください。
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