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世帯年収とは?家族構成別の金額や年収を上げる方法も併せて紹介

世帯年収とは?家族構成別の金額や年収を上げる方法も併せて紹介

「世帯年収ってなに?」
「他の家はどれぐらいの収入がある?」
給料が上がらないと言われる現在、自分の収入が他と比べてどれぐらいなのか気になっている方もいるのではないでしょうか。

この記事では世帯年収とは何か、日本全体の平均世帯年収はどれくらいなのか、また年代別、共働き・片働き夫婦の場合、高齢者世帯別など家族構成別の平均世帯年収や、世帯年収を上げるにはどうしたら良いのかなど、世帯年収について詳しく解説しています。

これを読むことで自分の家がどれくらいのところに位置しているのかがわかり、世帯年収についての理解が深まります。

世帯年収について詳しく知りたい方、世帯年収を上げたい方はぜひ最後まで読んでください。

世帯年収とは

世帯年収とは

世帯年収とは、「同一生計の世帯全体の年収」です。

生計を一緒にしている人の年収の合計で、同居・別居を問わず、また世帯のどの人の収入なのかは関係なく、例えば子供が学生でアルバイトの収入があればそれも含めます。

平均値と中央値の違いは?

世帯年収については、「平均値」と「中央値」の違いを知って、その両方を見る必要があります。

「平均値」とは、合計値をデータ個数で割って得られる値のことであり、「中央値」とは、データを大きさ順に並べた場合に中央にくる値のことです。

平均値と中央値を合わせて参考にしよう

「平均値」だけを見ると、データの大きさにバラツキがある場合、値が大きい方に引っ張られる傾向があります。世帯年収の場合は突出して高い世帯もあれば、低い世帯もあるため「平均値」だけでなく「中央値」も見ることが重要です。

「中央値」を見れば、自分の世帯年収がどれくらいの位置にあるのかがだいたいイメージできるでしょう。

日本全体の平均世帯年収

日本全体の平均世帯年収

2020年(令和2年)の厚生労働省の調査では、日本全体の平均世帯年収は全世帯が564万3千円、高齢者世帯は332万9千円、高齢者世帯以外の世帯が685万9千円、児童のいる世帯が813万5千円です。

ちなみに、全世帯の世帯年収の中央値は440万円となっています。

出典:Ⅱ 各種世帯の所得等の状況 1年次別の所得の状況 |厚生労働省(PDF)

出典:Ⅰ 世帯数と世帯人員の状況 1世帯構造及び世帯類型の状況|厚生労働省(PDF)

年代別の平均世帯年収は?

年代別の平均世帯年収は?

年代別の平均世帯年収は50~59歳が782万7千円、40~49歳が721万2千円、30~39歳が636万3千円で、さらに70歳以上は418万8千円となっています。

出典:Ⅱ 各種世帯の所得等の状況 3 世帯主の年齢階級別の所得の状況|厚生労働省(PDF)

家族構成別の平均世帯年収

家族構成別の平均世帯年収

一口に家族といっても、そのかたちはさまざまです。夫婦だけの場合、子供がいる場合、高齢者だけの世帯の場合などそれぞれの家族構成別の平均世帯年収はどれくらいなのか、詳しく見てみましょう。

共働き夫婦

総務省の「家計調査報告」(家計収支編)によると、共働き世帯の月収は一月平均約60万5千円で、年収に換算すると約720万円です。

これは平均値のため、前述したように一部の高所得者がいることで、高めの金額になっていることが考えられます。共働きであっても、夫婦どちらも正社員で働いている場合と、夫は正社員だが妻はパートである場合とでは当然差が出ます。

出典:家計調査報告(家計収支編)2021年(令和3年)平均結果の概要|総務省統計局(PDF)

片働き夫婦

同じく「家計調査報告」(家計収支編)によると、夫婦ふたりの世帯で、専業主婦(夫)がいるときのひと月の平均収入は平均約54万円です。年収にすると650万円となり、共働きより約70万円少なくなります。

出典:家計調査 / 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表|総務省統計局

子供1人3人家族

「家計調査報告」(家計収支編)2021年によると、共働き夫婦と子供1人、3人家族の1ヵ月の実収入は平均約70万円となっており、年収換算では約840万円です。

片働き夫婦の3人家族では1ヵ月の実収入は平均約56万円で、年収換算で約670万円となり、共働きとの差は約170万円です。

出典:家計調査 / 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表|総務省統計局

子供が2人いる4人家族

「家計調査報告」(家計収支編)によると、共働き夫婦と子供2人で4人家族の場合、一月の実収入は平均約71万円で、世帯年収は約860万円です。

一方片働きの場合の4人家族では一月あたりの実収入が平均59万円で、年収にすると約710万円となり、共働きとの差は約150万円です。

出典:家計調査 / 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表|総務省統計局

母子・父子家庭

厚生労働省「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」が公表している平成27年の母子家庭の世帯年収は平均348万円、父子家庭は平均573万円です。母子家庭と父子家庭では、225万円の差があります。

出典:統計表 第2表 各種世帯別にみた所得の状況|厚生労働省(PDF)

出典:平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果|厚生労働省(PDF)

高齢者世帯

高齢者世帯とは65歳以上の者のみで構成されている、またはこれに未婚の18歳未満の者が加わった世帯のことをいいます。

厚生労働省が2019年に調査した統計によると、高齢者世帯の世帯収入は平均約312万円となっています。

出典:統計表 第2表 各種世帯別にみた所得の状況|厚生労働省(PDF)

世帯年収を上げる方法

世帯年収を上げる方法

各家族構成別の平均世帯年収を見てきましたが、世帯年収を上げるにはどうしたら良いのでしょうか。

1人暮らしではない世帯の場合、世帯年収を上げるには世帯で働く人数を増やす、本業の年収を増やすというのが考えられる手段でしょう。

ここからは、世帯年収を上げる方法について詳しく紹介します。

夫婦で共働きや転職によるキャリアアップ

世帯年収は、当然ながら収入のある人の人数が増えた方が上がります。夫婦の場合、片働きならもう1人も可能な限り働いて収入を得る、という方法をとるのが現実的でしょう。

夫婦ともに正社員で働く場合は、経済的に余裕が出ます。しかし、子供がいてまだ小さい場合は夫婦ともフルタイム勤務は難しくなり、託児所や保育園などの支出が増えることが考えられるでしょう。

現在の収入に満足できていない場合、自分、またはパートナーの転職を考えるのも方法の一つです。

パートの場合は扶養控除の範囲の確認

子供がまだ小さい場合はどちらかが正社員で、どちらかがパートやアルバイトといった働き方をするパターンは多いのではないでしょうか。

世帯主(合計所得900万円以下)が、所得控除の38万円をフルで受けられる配偶者の年収の上限は150万円です。しかし、103万を超えると所得税を支払わなくてはならず、130万円を超えると扶養から外れ、自分で社会保険に加入しなければなりません。

130万円を少し超えるほどの収入である場合、手取りがかなり少なくなってしまうため、世帯年収を増やすことにはあまりつながらない可能性もあるでしょう。勤務日数や時間を調整して130万円未満に抑えるか、150万円を超えるまで増やすかのどちらかを選択する必要があります。

節税対策もチェックしよう

世帯収入を増やすには、収入自体を増やすという対策をするのはもちろんですが、手取りを増やすためにできることはそれだけではありません。もっと節税できる部分はないか、節税対策を見直して所得控除額を増やすことも大切です。

生命・地震保険料控除

会社員であれば、一般的に年末調整を受けることになります。その際に、支払っている生命保険料や地震保険料の控除を受けましょう。生命保険料は最高12万円まで、地震保険料は最高5万円までの控除が受けられます。

その場合、夫婦どちらかの年収が高い方の人で受けるようにします。年収が低い場合は節税効果が少ないため注意しましょう。

出典:No.1140 生命保険料控除|国税庁

出典:No.1145 地震保険料控除|国税庁

資産形成に役立つNISAとiDeCo

投資や資産形成の手段の中で節税対策ができるものとして、つみたてNISAやiDeCoがあります。

つみたてNISAは年間40万円まで積み立てられ、最大20年間の運用益が非課税です。

iDeCoは毎月の掛金が所得控除の対象になり、本来ならば20.315%課税される運用益も非課税になります。ただし、払い出しは60歳までできないといったデメリットもあります。

出典:教えて虫とり先生(第7回)|金融庁

医療費控除も利用

医療費控除は確定申告することで受けられる所得控除であり、年末調整では受けられません。

医療費控除は1年間に自分のため、または自分が配偶者、家族のために支払った医療費が10万円を超える場合にその金額の一部を所得から控除するものです。所得が200万未満の場合は、所得×5%の金額を医療費から引いた金額が控除となります。

医療費控除も生命保険や地震保険同様に、所得が多い人で受けるようにしましょう。

出典:No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)|国税庁

平均値と中央値を把握して世帯年収を理解しよう

平均値と中央値を把握して世帯年収を理解しよう

世帯年収のデータとして公表されるのは平均値であることが多く、自分の世帯が平均より少ないと不安になることもあるでしょう。しかし、平均値は突出した値があるとその値に引っ張られるため、実態との誤差が大きくなりがちです。

そのため、平均値だけでなく中央値もあわせて見る必要があります。

中央値よりも世帯年収が低いと感じる場合は、共働きや転職を検討する、節税対策を見なおす、余分な支出を減らすなど収入を増やす対策を講じる必要があるでしょう。

※初回公開日:2023年9月20日

監修:キャリテ編集部【株式会社エーティーエス】

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