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個人事業主には印鑑が必要なのか?選び方やメリットなどについて紹介

個人事業主には印鑑が必要なのか?選び方やメリットなどについて紹介

「個人事業主になったら印鑑って必要なの?」
「印鑑の選び方や印鑑を用意するメリットについて知りたい」
このように、個人事業主としての働き方を選ぶ際に印鑑の必要性に関して疑問を持っている人もいるのではないでしょうか。

本記事では、個人事業主が印鑑をつくっておく必要性とともに使い分けのポイントや印鑑を作るメリット、選ぶ際のポイントなどを紹介しています。

この記事を読むことで、個人事業主になった際にどのような印鑑を用意すればいいのか把握することが可能です。その知識をもとに、必要に応じて印鑑を使い分けながらスムーズに仕事を進めることができるでしょう。

個人事業主としての働き方に興味がある人は、ぜひこの記事をチェックしてみて下さい。

個人事業主に必要な印鑑はある?

個人事業主に必要な印鑑はある?

プライベートでも仕事でも使う機会は意外と多い道具として挙げられるのが、印鑑です。もとからプライベート用の一本だけ印鑑を所有している人も多いため、個人事業主になった際にプライベート用のものを転用している人もいます。

これに関しては、個人事業主であれば法人での代表印などの必要性が薄いため、問題ではないと考えられています。ただビジネス用の印鑑を作ることで得られるメリットもあり、今後事業を拡大していくことを想定している場合は個人用と使い分ける用の印鑑は必要です。

このような考えから、最低でも実印や銀行印、認印、屋号・住所が書いてあるゴム印などの印鑑は個人事業主には必要だとされています。

個人事業主の実印について

個人事業主の実印について

実印とは、役所に届け出て印鑑証明に登録された印鑑のことを言います。個人事業主が実印を使う機会としては、不動産契約やローン契約などの契約関連、物を購入する際の契約書などが多いです。

具体的な事例として、店舗や事務所を借りるための不動産契約、内装や外装、必要なオフィス家具などを購入・レンタルするためのローン契約、移動販売をする場合は自動車購入などが挙げられます。

このように特に大きな金額が動くような契約や取引をする場合、本人証明をするために個人事業主は個人用の実印を使って対応することになるのです。

印鑑の種類について

事業用に用いられている印鑑には様々なものがあり、その中でも法人印として挙げられている種類が実印、そして丸印と角印です。丸印と角印に関しては印鑑は形が異なっているだけではなく、用途によって使い分ける必要があります。

ここからは、法人が業務用として使うことが多い印鑑の種類について、丸印と角印のことを紹介します。

丸印

丸印は見た目通り、印影が丸い印鑑のことを指します。丸印は主に会社実印として用いられることが多いため、会社実印のことを丸印または代表社印と呼ぶこともあるようです。代表社印は、会社実印には代表者の役職が彫られることが多いことからの呼称となっています。

ほかにも丸印は屋号名としても用いられる場合があるなど、重要な場面で使うことが多い印鑑というイメージが強い印象があります。

角印

角印も名前の通り、印面が四角くなっている印鑑のことを指しています。事業用として用いられる際には会社の認印として使われることが多いところが特徴で、自社で発行している領収書や見積書、請求書、納品書などにみられることが多いです。

このようなことから角印という呼び名以外にも社印と呼ばれることもあり、屋号名に用いられることも良くあります。つまり社名以外が彫られることがほとんどないところが、丸印との違いです。

個人事業主の印鑑の使い分けについて

個人事業主が使い分ける印鑑について

個人事業主が仕事関係で印鑑を使う機会は多く、開業時の書類や青色事業承認申請書、確定申告の時以外にも、普段の仕事中であれば契約書や見積書、請求書などにも印鑑を使うようになります。

一般的に個人事業主であれば、どのようなシーンでも同じ印鑑を使っても問題はないとされています。ただ取引先からの信頼アップにつなげたい、事業展開したいと考えているのであれば、用途に応じた使い分けを意識しておくことが大切です。

ここからは、そんな個人事業主が知っておきたい印鑑の使い分けについて紹介します。

開業時の書類に使用する印鑑

開業時の書類に使用する印鑑は、個人の認印で問題ありません。実印である必要もないので、プライベートで使っている個人の認印が使われています。

これは開業時の書類にはあくまで個人名で届出をするようになっているため、まだ開業していないという背景もあり、個人の認印が用いられる形になっています。そのため、開業する際に認印を作るという人も多いです。

契約書に使用する印鑑

契約書に使用する印鑑は、個人の実印と実印の印鑑証明が必要になります。個人事業主の場合は法人と違って会社の実印がないため、自動車の購入・ローン契約・事業所の賃貸契約といった契約書関連は個人として契約する形になることが多いです。

取引先との契約書であれば事業用の丸印を使って対応することもできるため、用途に応じて使い分けるようにしてみるのもよいと言えます。

見積書や請求書に使用する印鑑

見積書や請求書、領収書など取引先や顧客に提出する書類であれば、個人の認印や実印ではなく、会社の角印が望ましいとされています。なかった場合は認印で対応することもできますが、角印の方が個人事業主へのビジネス面での信頼度が上がりやすいです。

角印でなければいけない、必須であるというわけではないものの、見栄えやビジネス面での印象を考えるのであれば、角印で対応する方が良いと言えます。

青色事業承認申請書に使用する印鑑

確定申告をする際に青色申告を採用する場合は、青色事業承認申請書も提出しなければいけません。青色事業承認申請書にも印鑑の捺印が必要になるので、こちらも確定申告同様に個人用の認印を使います。

これは確定申告と同じく個人名で申請する書類への捺印となるためで、基本的には実印ではなく認印で問題ありません。

出典:No.2070 青色申告制度|国税庁

確定申告で使用する印鑑

確定申告をする場合に使用する印鑑は、個人用の認印が多いです。これは開業届と同じく、確定申告も事業名ではなく個人名で届出をするためだとされています。

このような点から意外と認印の出番は多いので、出来る限り用意しておくことが望ましいです。また、個人用の認印でいいならとシャチハタで対応することは基本的にNGとされるケースが多いため、認印を作っておきましょう。

出典:所得税の確定申告|国税庁

屋号印は必ず用意するべき?

屋号印は必ず用意するべき?

屋号印(やごういん)とは、個人事業主の事業や店舗の名前を記した印鑑のことを指します。わかりやすく言えば、お店や事業の名前を印鑑にしたもので、これを利用することで社印として利用することが可能です。

個人事業主の場合は屋号ではなく個人名で活動している人も少なくないので、屋号印は必須ではありません。ただ屋号印を用意することで屋号付きの銀行口座が用意できる、社会的な信頼を得やすいなどのメリットもあるので、つくっておくことも有効です。

個人事業主が印鑑を作るメリットとは

個人事業主が印鑑を作るメリットとは

法人と違って個人事業主は事業用の印鑑を作る必要はないとされていますが、屋号印や角印などを作っておくことで嬉しいメリットがいくつかあります。

単純にプライベート用と使い分けられるという点以外にも、中には仕事をする上で有利に働くメリットもあるので、今後事業拡大などを検討している人であれば注目しておきたいポイントです。

ここからは、個人事業主が印鑑を作るメリットについて3つほど紹介します。

本名の印鑑を押さなくてよい

個人事業主が印鑑を作るメリットとして大きなポイントになっているのが、本名の印鑑を使わなくていいという点です。

フリーランスをはじめとした個人事業主の中には個人用の本名が書かれている印鑑を使う人も少なくないものの、中には本名を知られたくないという人もいます。事業用の印鑑をつくればその悩みを解決でき、安心して印鑑を押しやすくなるのです。

仕事へのモチベーションが上がる

個人用の印鑑を利用することもできる個人事業主ですが、事業用の印鑑を作ることで仕事に対する気持ちや熱意を持ちやすくなり、仕事へのモチベーションが上がりやすいという点がメリットとして挙げられています。

仕事へのモチベーションが上がれば仕事の質も上がりやすいなど、様々な効果が期待できます。

取引先やクライアントからの信頼獲得を期待できる

ほかにも個人事業主が印鑑を作るメリットとして挙げられるのが、取引先やクライアントからの信頼獲得を期待できるという点です。

企業側としてはプライベート用と明らかにわかる個人用の印鑑よりも、事業用として別に用意されたとわかる印鑑を使っている相手の方がビジネス面で信頼してくれやすい傾向が見受けられます。

このため無理に用意する必要はないものの、取引先やクライアントからの信頼を得たいと考えるのであれば、事業用の印鑑を新調する方が効果的です。

個人事業主が印鑑を選ぶ際のポイント

個人事業主が印鑑を選ぶ際のポイント

事業用の印鑑を作るもしくは選ぶ際には、適当なものを選ぶのではなくきちんとポイントを押さえて検討する必要があります。特にこれまで事業用の印鑑を目にしたことが少ないという人の場合は、何を基準に選べばいいのかわからないという人もいるのではないでしょうか。

ここからは、個人事業主が事業用の印鑑を作る・選ぶ際のポイントについて、サイズや書体、材質の3つのポイントから紹介します。

  • 印鑑のサイズ
  • 印鑑に使用する書体
  • 印鑑の材質

印鑑のサイズ

印鑑と一言で言っても、そのサイズは多種多様です。ちなみに印鑑のサイズに関しては、角印の屋号印が最も大きく、個人実印や丸印、銀行印の順で小さくなります。

そんな印鑑のサイズに関しては、基本的に印鑑を販売しているお店などでおすすめされているものをそのまま使えば問題ありません。それを踏まえたおすすめの印鑑のサイズは、以下の通りです。(サイズは直径です)

  • 個人事業主の実印:18mm
  • 個人事業主の銀行印:16.5mmか15mm
  • 個人事業主の認印:10.5mmか12mm
  • 屋号印:丸印であれば18mm、角印であれば21mmもしくは24mm

印鑑に使用する書体

印鑑に使用する書体に関しては、読みやすい古印体(こいんたい)、やや読みにくい篆書体(てんしょたい)、読みづらい吉相体(きっそうたい)(別名で印相体(いんそうたい))の3つが用いられています。

一見すると読みやすい古印体が良いと思われがちですが、読みやすい書体は偽造されやすいデメリットがあります。このため偽造されにくい吉相体の方が事業用の印鑑に用いられやすく、風水の観点から運気アップの効果もあると言われているのでおすすめです。

印鑑の材質

事業用の印鑑であれば長く使い続けることを想定して、材質には耐久性のあるものが望ましいとされています。耐久性とは、劣化、形状変化しにくい材質であるという意味です。

ただ耐久性が高いだけではなく、人前で押すことも想定して安っぽく見えない材質であることも望ましいです。白い色や木材感があるとどうしても安っぽく見えるので、黒色のものが高級感を演出してくれます。

この点に加えて価格や品質のバランスを考えると、黒水牛の材質が良いと評価されています。ほかにも価格は高いものの水洗いできるチタンなどもおすすめです。

個人事業主として印鑑を作ってみよう

個人事業主として印鑑を作ってみよう

個人事業主は個人用の認印や実印でも仕事をすることができますが、仕事のパフォーマンス向上やビジネス面での信頼獲得を目指すのであれば、事業用の印鑑を用意することが推奨されています。

プライベートと仕事用で使い分けができるようになるので、これからより事業に力を入れていきたいと考えている人は、ぜひ事業用の印鑑を検討してみてはいかがでしょうか。

※初回公開日:2023年8月14日

監修:キャリテ編集部【株式会社エーティーエス】

株式会社エーティーエスが運営する本サイト「キャリテ」では、みなさまの「キャリア」「働く」を応援する記事を掲載しています。みなさまのキャリアアップ、より良い「働く」のために、ぜひ記事の内容を参考にしてみてください。

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